第8巻
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みであった心情を顔に出さずに、いつもの胡散臭い笑顔でこたえた。伊達に長き年月の間、人の人生を観察し時にはおちょくってきたわけではない。
「……強かった、マジで強かった」
「 ………… 」
「手も足も出せずに負けちまった……」
いつも、いつでも自信満々で元気の塊のような少年の初めて聞くであろう弱々し声だが――
「それで、諦めてしまうのですか?」
「ハッ! まさか!!」
瞳には炎がメラメラと燃えており何一つも諦めていないのが丸分かりだ。傷が少しでも癒え身体を動かせるようになったら本調子出はなくとも件の人物の元まで飛んでいってしまいそうだが、やはり力の差を思い知らされた以上、無暗に突撃するようなことはしないようだ。
「今のままじゃ奴には勝てねぇ、オレは強くなる。そして必ずアイツを越えて世界最強になってやる!?」
それでこそ我らのナギだと笑みをこぼしながらナギが目覚めたことを他の者に知らせる為に部屋を後にするアルビレオ。
この後、ナギを心配していたアリカが目に涙を溜めて部屋に飛び込むかのように訪れるのだが、それを見ていたラカンにナギが弄られるのは余談だ。
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テオドラを依頼通りに救出及び奪還を果たしたアスカは、寝たままの彼女を皇帝の側近に無事に手渡し任務を終え、方舟内で食事をしつつ休息をとっていた。
メニューは極楽米を使用した十黄卵とにんにく鳥の親子丼、リーガルマンモスの普通の肉を調理したステーキ、酒乱牛を薄くスライスして生のままネタにした握り等の肉をメインとした物ばかり。
長距離を移動し本気を出してなかったとしても上位精霊、造物主の使徒、赤毛のバカと三連戦したのだ。特に後半二戦は肉体をフルに使ったため最強クラスの一体と一人を相手に取ったのだから食義をマスターしていようとカロリーの消費は少なくはない。なので手軽にカロリーを摂取できるようカロリーが高い物を食している、ということだ。
摂取している量は常人のそれを逸脱するほどの量なのだが、高カロリーで揃えているためこれでも少ない方だ。あり得ないことだが普段なら更に量が増える、この異常な食欲もグルメ細胞の影響だ。
それと、カロリーの回復もあるが来るべき造物主との戦いの為に食義の奥義である食没によってエネルギーを蓄えないといけない為、自然と摂取量は増えてしまうのは仕方ないのだろう。
史実とは違い紅い翼を交えてのアリカとの対談をする前にテオドラを回収してしまったが、あの姫と皇女のことだ。再び対談をする為に接触し、これからのことを話し合うだろう。多少は歴史にズレが生じるだろうが些細なことだ。
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