第8巻
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ありえない。
勝てなくともここまで圧倒されるとは考えも思いもしていなかった。いくらマダラが強くともナギが手も足も出ないような状況になるとは。ギリギリに食いつけると当時≠謔闍ュくなっているといえどこの≠謔、な場面は何一つ予想だにしていなかった。彼の者と行動していた彼が決別してから暫く一緒に行動していた当時既に彼の実力は完成≠ウれ、力を持ち強さを誇っていた。あれから長き時が経ち強くなっているといっても完成されていたあの時点からさらに強靭な力をつけようとは……完全に誤算だ。
「――がっ!?」
彼を越えられると思っていた少年がついに膝どころか俯せで身体を地に付いてしまっている。
何とか立ち上がろうとしようも、初めから魔力を全開にし維持し続けた代償により肩だけではなく全身で息をし汗だくの汗まみれ、両足で地に立つどころか膝を付けることすらできない。
「ナギィっ!!」
そんなリーダーの姿を目にし詠春が叫び、刀を抜き業を放つため気を練ると同時、ラカンが一瞬で気を全開に溜め、冷や汗顔な微笑みを消したアルビレオと普段は無表情な顔を多少歪めたゼクトが詠唱に入り、ガトウは魔力と気を融合させ身に纏う究極技法「咸卦法」を発動させアリカとテオドラの二人の盾になるため側に。
「チっ! 結局こうなるのかよ!!」
クロスは一気に魔力を練り上げ五つの十字架を懐から取りだし己れの周囲に滞空させ、紅き翼に加入した際にナギと仮契約をしてから愛銃となった『断罪者《ジャッジメント》』を抜き、銃口を目標に向ける、が。
「いちいち……騒ぎ立てるな、ガキ共」
たった一言。そのマダラのたった一言が紅き翼の面々の動きを止めた。彼の口から発せられた言葉に殺気と眼力が言霊として圧力となり、その場にそのまま彼らを身体を縛り上げ釘付けに。
―おいおい、マジか! 指一本動かすどころか声も出せねえだぁ?!
皆が動こうと抗う中ジャック・ラカン、彼は今の己れ達の状態に戦慄を隠せずにいた。ナギを一方的に叩き潰したのは良くはないがいい。が、此だけの実力者たちを術も業も何も使わず声と眼力のみの圧力だけで動けなくしてしまうのは異常だ。
長い間、戦い続けてきたがこのような事態は初。
長年の戦いで培った経験が、勘が身体全体を警告し続ける。『奴には勝てない』と。
過去の戦争、アルから聞いた話しついでにクロスの生の体験談。それらを統合し正直、ナギだけでは勝てなくとも自分と二人でなら勝てると考えていた。しかし、考えが甘かった。甘過ぎたと言って良いほどに。ナギがダウンしても最強クラス上位が此だけ集まっていながらこの様、どうやって奴に勝つかシミュレートしていた少し前までの自
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