番外編
ある日の出来事:1
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何時ものように起き、朝食を作り終えた頃、同居人が起きてきた
「おはよっ!ナオ」
「ああ、おはよう。モネ」
朝食を取りながら今日のことについて話していると、モネがそういえば、と話を切り出した
「今日の夕食、サクラやアスナと食べに行くんだけど、一緒にどう?」
「…それ、行かないとサクラ死亡パターンだろ。行くよ」
「本当!?じゃ、アスナに伝えとくね」
そう言うとモネははしゃいだ様子で、メッセージを打ち始めた
こう考えてみると、SAOに囚われる前と何ら変わりのない日常を送っているな、と思った。現実とほとんど同じ。…しかし、そこで一人足りないことに気が付く。
『おはよう、直樹、萌音』
彼女がいないのが決定的な違いだった
「ナオ?どうしたの?」
「あ、いや、少し考え事をな」
気が付くとモネが心配そうにこちらを見ていた。なんでもない、というふうに笑って話をそらすことにした
日課の迷宮区のマッピングをし、その後クエストを片付けていく
黙々と作業を進めていたので、気が付くと約束の時間が迫っていた
待ち合わせの店に行き、アスナたちと夕食を取る。アスナのキリトに対する愚痴を聞いていると、だんだん夜が更けてくる
「おっ、こんな時間か。んじゃ、今日はこれでな」
「またね〜!」
サクラとアスナ、二人に別れを告げ、ホームであるフローリアまで転移しに行く
「たっだいまー!」
「はい、お帰り」
何時ものやり取り。その後、店で仕入れてきた新聞のようなものを見ていると、モネが尋ねてきた
「ねえ、朝、何考えてたの?」
「ん…ちょっとな」
「彼女のこと?」
「…鋭いな。そうだよ、あいつの事だ。長い時間が経ったからな、心配させてるだろうな」
「そうだね…。ナオ、帰ったらちゃんと甘やかせてあげなよ?」
「…そうだな。わかってるよ」
彼女(・・)はモネと俺の幼馴染で、よく一緒に遊んでいた。だが、ある日彼女は大きな事件に撒きこまれてしまい、心に大きな傷を負ってしまった。それでも彼女は頑張って生活していたが、だんだんと厳しい状況になってしまう。見かねた俺たちは彼女にこう提案する
「中学になったら、親が買った家に住むんだ。一緒にどう?」
最初は彼女も渋っていたが、モネが何度も説得したため、ついに彼女は折れ、同居人となり同じ学校に通うことになった。その後いろいろあって彼女にも好かれてしまったのは別の話だが
彼女は今どうしているだろうか
「早く帰らないとね…」
「ああ、謝らないとな」
早く帰って、二人でこう言おう
「ただいま、詩乃。心配させてごめんね」と
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