第二十五章
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始末をつける。こうしてな」
剣を再び出した。それを前に出す。
「私をここまで追い詰めたこと、褒めてやる」
本後を見据えて言った。
「だがな、私は人には倒されはせぬ。私は他の魔物達とは違うのだ」
そして剣を胸に当てた。
「さらばだ」
突き刺した。赤黒い血が滴り落ちる。
そのまま崩れ落ち倒れ込んだ。亡骸は黒い煙となり消え失せてしまった。これで全てが終わった。
「終わったな」
「はい」
役が本郷の側に歩み寄ってきた。そして声をかけ本郷もまたそれに応えた。
「嫌な奴だったが見事な最後だな」
「そうですね、それは認めますよ」
本郷は煙となり消えたアルノルトがそれまでいた場所を見ながら言った。
「多くの人間を糧にしてきた魔物だったが。誇りは見事なものでしたね」
「ですね。だからこそ手強かった」
神父にもそう答える。
「けれどこれで全てが終わりです。ようやくね」
「これでですか」
「ええ」
署長にもそう答えた。
「ようやくね。お疲れ様でした」
「我々は何もしていませんよ」
だが署長は苦笑いしてそれに応えた。
「貴方達のおかげです。全ては」
「有り難うございます」
「ところでやっと終わったことですし」
大森巡査が出て来た。
「どっか飲みに行きませんか。明日にでも」
「おいおい」
七尾刑事がそれを嗜めた。
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