第二十五章
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。その意味がわかるな」
「クッ」
これで動きが封じられた。少なくとも後ろには退けない。そして横にも。神父が既に結界を張っていたのだ。
「今の貴様にならこの結界も効果がある。違うか」
「おのれ」
呪詛の言葉が答えになった。その通りであったのだ。
前しかなかった。そこには本郷がいる。既に構えに入っている。
「行くぜ」
「望むところ」
左手を一閃させた。そしてそこに赤い刀身の剣を出す。
「これで始末してやる。貴様からな」
「やれるもんなら」
本郷は腕を振り上げた。
「やってみやがれ!」
そして銀貨を投げた。複数のそれがアルノルトに襲い掛かって来た。
「何の!」
赤い剣でそれを打ち落とそうとする。だがそれは適わなかった。
銀貨が剣を砕いた。そしてそのまま勢いを殺すことなく彼を貫いた。
「グフッ!」
そのうちの一つが喉を貫いた。そして胸も。かなりのダメージであることは魔物であっても同じであった。
本郷は銀貨を投げた後で突進していた。その手には刀がある。
「止めだあっ!」
最後に体重を込めて突き刺した。腹を貫いた。
木に刺しつける形となった。さしものアルノルトもそれを受けて動きを止めた。
「グオオ・・・・・・」
背中から煙が沸き起こる。霊木に当たったことによるダメージであった。これからも彼がかなりのダメージを受けていることがわかった。
本郷は刀をゆっくりと抜いた。最早アルノルトがかなりのダメージを受けていることはあきらかであった。だから刀を引き抜いたのであった。
「勝負あったな」
本郷は言った。そしてアルノルトを見据えた。
「違うか。貴様はもうこれで最後だ」
「まだだ」
だが彼はまだ立っていた。本郷を睨みつけている。
「この程度で私は倒れはしない」
しかしそれまでであった。ガクリ、と倒れ込んだ。
「ぬっ」
両膝をつく。そして右手も。本郷の前に跪いた形となった。
「それでもか。王者は跪かないものだな」
「・・・・・・・・・」
「それが何よりの証拠だ。手前はもう終わりだ。魔王の最後だ」
もう答えることができなかった。ただ虚ろな目で床を見ていた。だがその目に床は入ってはいなかった。何も見てはいなかった。
「さて、どうする。止めがいるか」
「止め」
アルノルトは空虚な声で本郷の言葉を繰り返した。
「そうだ。日本じゃ介錯っていってな。死にそうな奴を楽にするのよ」
そう言いながら刀を構える。
「首を切ったりしてな。さて、どうするんだ」
「愚かな」
それを聞いてアルノルトの目に邪な光が戻った。
「私は偉大なるユダの血を引く者だ。人間如きの世話にはならぬ」
「じゃあどうするんだい」
「決まっている」
そう言いながら立ち上がった。
「自分で
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