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インフィニット・ストラトスの世界にうまれて
ルームメイトは緑髪の眼鏡っ娘 その三
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ら俺はこう返した。

『何とか出来るわけないだろう? あれはセシリアが一夏に食べさせるために持ってきてるんだぞ?』

『解ってるわよ。でも、一夏に食べさせたくないから言ってるんでしょ。アンタが代わりに食べなさいよ』

恐ろしいことを言うな、凰鈴音。

『俺を殺す気か!』

『一夏が死ぬよりマシよ。ちゃんと看取ってあげるからセシリアのお弁当全部根性出して食べなさいよ!』

『セシリアの料理は精神論でどうにかできるか! そんなレベルはとうに越えてるんだよ』

『それでもアンタ男なの?』

「どうしたんだ? 鈴。アーサーと見つめ合って」

一夏を見れば、意外そうな顔で俺と凰鈴音を見ていた。

「えっ? な、何でもない、何でもない」

凰鈴音はそう言いながら一夏に向かって手をぶんぶんと振り、目は俺に対しこう語っていた。

『セシリアのお弁当食べなきゃ、あたしがアンタを殺すわよ』

俺を脅しやがった凰鈴音の背後には黒いオーラがゆらゆらと立ち上っているように見えた。
抜き刺しならないとは、まさにこういう状況だろうな。
行くも地獄、戻るも地獄である。
俺は背水の陣を配し、敵陣に突入するしかない。
覚悟を決めた俺は、凰鈴音にセシリアの気を逸らすように依頼し、大事そうに抱えている弁当をセシリアの手から奪いとる機会をうかがう。
凰鈴音の合図を確認した俺は、セシリアの弁当を素早く奪い去る。
セシリアは何かを叫びながら追いかけてくるが俺は気にしない。
食べても死ぬのだろうが、食べなくても死ぬことになるのだ。
何も考えず、ただひたすら逃げ、バスケットの中からサンドイッチを取り出すと口に詰め込んでいく。
数分後に弁当をすべて食べ終えた俺は、達成感など微塵も感じず屋上の地面に倒れこみ、意識がだんだんと遠退いていく。
俺は胸を押さえ、うめき声を上げながら、胃からこみ上げてくる何かを口から出ないよう必死に耐えた。
最後に聞こえたのは凰鈴音の「よくやったわ」だった。 そして俺は意識を手放した。

のちに俺は勇気を称えられ一夏から二つ名を賜った。
まったくありがたくもないのだが、せっかくくれるというので貰っておこう。
『挑戦者』これが一夏から貰った二つ名である。

目を覚ますとそこには知らない天井があった。
どうやら俺はベッドで寝ているらしい。
ここはどこだろうと頭を動かすと、そこには椅子に座り俺を見下ろしている凰鈴音がいた。

「やっと気がついたみたいね。具合はどう?」

「良くはないな。ところでここはどこだ?」

「医務室に決まってるじやない」

「そうか。約束通り、俺の最後を看取りにきたのか?」

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