第二十三章
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ものであった。
「何処を狙っている」
彼はその銀貨の軌跡を見て嘲笑った。彼を狙ってはいなかったからである。
「私を狙わないと意味はないぞ」
「ああ、狙ってるさ」
本郷は不敵に笑った。
「だがな、狙い方は一つじゃねえんだよ」
「何!?」
銀貨は壁に当たった。そしてそこから跳ねた。
そしてアルノルトに襲い掛かる。彼は壁に当ててそれでアルノルトを狙ってきたのである。
「なっ」
「これならそうそう簡単にはかわせねえだろ」
本郷はまた笑った。笑いながらさらに銀貨を放つ。
「そら、どうする!?幾ら御前でも逃げられねえだろ」
「ふん」
しかしアルノルトはそれでも怖気づきはしなかった。
「この程度で私を倒せると思っているのか」
「その銀貨ならな」
本郷は言った。
「御前は防げはしない筈だな」
「さて、それはどうかな」
「何!?」
跳ねる中の一枚がアルノルトに襲い掛かる。それが彼を貫いた。
「やったか!」
警官達がそれを見て会心の声を出した。しかし声だけだった。
「ふふふ」
貫かれてもアルノルトは平気な顔をしていた。そして悠然と笑っていた。
「今何かしたか」
貫かれた部分が急激に埋まっていく。何らダメージは受けていないようである。
「な・・・・・・」
さしもの本郷もそれを見て絶句した。効く筈のものが効かなかったからである。
「これは一体どういうことだ」
「最早その忌まわしい銀貨ですら私を倒すことはできないということだ」
彼は言った。
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