第壱章 【転入編】
男子校×全寮制=薔薇がさく 【第四話】
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{side 伊吹}
副担任の西寛人先生は、一言で言うと『癒し』っていう感じ。
見た感じは、フツメンで印象に残らないんやけど雰囲気が柔らかくて、柔和な笑顔が可愛らしい。
この学園には教員もイケメンが多いみたいやけど、そういう先生たちにも負けないくらい人気なんやって。
今は学活の時間で、委員会決めを行っている。
「じゃあ、最初に委員長を決めたいんだけど、誰か立候補は居る?」
西先生がぐるりと皆を見回して言った。すると、眼鏡をかけた綺麗な姿勢の子が手を上げる。
まさに委員長って感じの子だ。
「安斎くんの他に立候補したい子はいる?」
皆がキョロキョロと周りを見渡して、誰も居ないことが分かると先生はチョークをその子に渡した。
「では、満場一致ということで、安斎君が委員長に決定しました。進行役を換わるね」
教壇に登った安斎君が、黒板に綺麗な字で委員会名を書いていく。
風紀・美化・保健・体育・図書・文化・放送・飼育があるらしい。
「では、入りたい委員会があれば挙手をお願いします」
中には定員オーバーでじゃんけんをする委員会もあったが、案外ちゃくちゃくと決まっていった。
俺は図書委員会に、しいちゃんは美化委員会、いっちー(と、呼べと言われた)は体育委員会になった。
ちなみに俺と同じ委員会になったのは、香月羽衣くん。小柄で小動物っぽい。
かわいいものが好きな俺にとっては、明日にあるらしい委員会会議が楽しみになってきた。
委員会会議というのは、各委員会ごとに話し合ったり仕事をする日と教えてもらった。
明日は新しく一年生が入るため、それぞれの委員会でも紹介しあうらしい。
どうやら各委員会の委員長が「うちの子がいちばん!」という精神をお持ちらしく、委員会同士が集まると言い争いになるようだ。
予算の配分などでも揉めるしで、委員長以外の役員はお互いを慰めあっているとかいないとか。
そんな話を西先生が苦笑しながら説明してくれた。
「なんか面倒くさそうやなぁ...」
「そうだな。中等部のときはそんな事無かったけど」
いっちーは頬杖をつきながら、ボーっとしている。後ろを振り返ると、しいちゃんは寝ていた。
二人とも授業をあまり聞いていないから、頭がよくないらしい。
周りに感化されてボケーっとしていると、チャイムが鳴り始めた。
「じゃあ、今日の授業はこれで終わりだからね。部活見学に行けるのはあと一週間だから」
西先生はそう言うと教室を出て行った。
「ねぇ、今日は翼の部屋でごはん食べない?」
「俺はいいよ。ちょっと香月に聞いてくるわ」
椎名がかばんを整理しながら、質問すると一条が香月くんの方に歩いてった。
「なぁなぁ、いっちーって料理できんの?」
「
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