暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
39話:それぞれの夢(ねがい)
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し、口調も別に何処も可笑しくはない筈……

「……………」
「って、あ、あれ…?」

だが、妹(仮)の反応は、何かあり得ない物を見たかのようなものだった。目を全開で見開いて、口も半開きになっている。

「……お、お兄ちゃんが…」
「え?」

「お兄ちゃんが私より早く起きてきた上に、自分で料理をしようだなんて…!」

「な、なん…だと…!?」

ようやく動いた妹(仮)の口から出たのは、驚きの一言だった。彼女にとって俺は自分で料理もしないし、朝も遅いらしい。可笑しくないと思っていたこと全てが可笑しかったのか……

「お、お兄ちゃん大丈夫?熱とかない?」
「な、なんでそうなる…!?」
「兄を心配しない妹なんていないよ」

そう断言しながら彼女は俺の元へ歩み寄り、額に手を伸ばしてきた。

「っな!?」
「ん〜…、別に熱はないみたい……」

それに俺は反応できず、不用心にも妹に額を触られてしまう。
熱がない事がわかり、彼女はそれでも不思議そうに頭をかしげる。

「じゃあなんで……」
「あら、朝から仲がいいわね、二人とも」

だが、彼女の疑問の声を遮るように、また新たな人物が言葉を発する。俺は妹(仮)から視線を外し顔を上げ、妹(仮)の後ろにいる人物を見る。そして、その声の主を見て、俺は不覚にも体をビクリと跳ねさせた。
何故か、それは彼女の姿が写真で見たこの俺、門寺士の母親と同じだったからだ。

「あ、お母さん!」
「おはよう、真希(まき)。朝から元気ねぇ、あなたは」

俺の前にいた妹―――もとい真希は、振り返るや否や走り出し、さっきの声の主―――真希が言うには母親―――にだきついた。

「おはよう。今日は早いのね、土曜日なのに」
「え、あ、まぁ…ね」

急に声をかけられ、俺は曖昧に答えてしまう。しかし母(仮)はそれを別に気にする事なく、そのまま台所へ向かう。

「ねぇねぇお母さん、聞いてよ聞いて!お兄ちゃん、今日は私より早く起きたんだよ!日曜でもないのに!」
「人間、たまには体が気まぐれな事をするもんよ」

しかしこの母(仮)、意外にも酷い事を言う。何故かこの二人は、俺は遅く起きる人間だと認知されているようだ。
でもまぁ、そこまで気にしている様子では……

「それだけじゃないんだよ!お兄ちゃん、自分で料理を作るなんて言うんだよ!」

そう思っていた矢先、真希の言葉に母(仮)はピタリと動きを止めた。その表情は、先程の真希の驚きように類似していた。やはり親子だからか?

「真希、すぐにテレビつけて、天気予報やってるチャンネルに合わせてちょうだい」
「ら、ラジャー!」

母(仮)に言われ、真希はすぐさまテーブルの上にあるリモコンを手に取り、電源ボタンをおしてテレビ
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