暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
39話:それぞれの夢(ねがい)
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ている。本来ここには、いる筈はない。


―――だけど、これは……この光景は……


「ねぇ、今日は皆で街に出ましょうか」
「わ〜い!」
「いいですねぇ」
「フェイトには、新しいお洋服を買ってあげないとね?」
「っ…は、はい…」
「あ〜!フェイトばっかり、ずる〜い!」
「魔道試験満点のご褒美ですよ。アリシアも頑張らないと」
「そうだぞ〜」

リニスにいわれ、テーブルの下でお肉を頬張るアルフにも同意され、さらにむくれるアリシア。

「フェイト〜!」
「え?―――っ!?」

かと思ったら、アリシアは私の名前を呼んだ後、しゃがんでテーブルの下へ。そしてテーブルの下から私を見上げるような場所にやってくる。

「今度の試験までに、補修をお願い!」
「う、うん…」

少し頬を朱に染めて、手を合わせて懇願してくるアリシア。私は少し困惑しながら返事をして、周りに目をやると、リニスも母さんも優しく笑っていた。

―――思い描いていた、時間

今ここにはアルフがいて、母さんがいて、リニスがいて、アリシアがいて……そして、私がいる。

「…フェイト?」

私は思わず、下にいるアリシアの肩をつかむ。アリシアを見下ろす視界は、段々と潤んでいく。

―――私がずっと、欲しかった時間…

その様子を見て、リニスも母さんも困惑した表情で近寄ってくる。
涙が止まらない。出そうと思ってもいないのに、声が漏れる。両手で顔を覆っても……止まらない。

―――何度も、何度も…夢にまで見た時間だ……


















「眠い……」

そこは暗い空間。濃い青のような色で塗られた世界。そんな世界で、八神はやては車いすの上で眠っていた。
うっすらと見える視界には、銀髪の女性。

「そのままお休みを、我が主……」

優しく語りかける声は、はやてに更なる眠気を与える。
段々と重くなっていく瞼を、ゆっくりと閉じる。

「あなたの願いは、全て私が叶えます」

そしてはやては再び眠りの世界へと旅立った。


















「どうしたの、お兄ちゃん?こんな朝早くに起きたりして」

俺の目の前で俺の事を“兄”と呼ぶ少女。寝間着を来ているところを見るに、おそらくはこの家の住人なのだろう。
と、とにかくだ。ここは冷静に、不自然ではないように振る舞うべし!

「え、えっとだな…。きょ、今日はなんとなく早く起きちまったからさ、何か作って食おうかな〜、なんて思って」

うん、違和感はない。何処にでも移送な中学生(体格と目線の高さから推理)の筈だ。
少なくとも、俺の家族なら俺が料理ができるのは知ってる筈だ
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