真実は悲しき氷の刃
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「俺はあのクソッタレを100万回ぶっ飛ばす!こっちはお前に任せるぞ!」
「僕は!?」
「お前はまたグレイがアイスド何ちゃらをやろうとしたら止めてくれ!」
「解った!」
ナツの言葉に2人は頷く。
「負けたままじゃ名折れだろ?」
走りながら、ナツが呟く。
「オメーのじゃねぇぞ」
「解ってる」
「うん」
そして3人は、同時に口を開いた。
「「「妖精の尻尾のだ!」」」
そしてナツの姿が完全に見えなくなり、ルーは邪魔にならない様にと端による。
「やれやれ・・・騒がしい奴等だ」
「お前・・・さっき俺が絶対氷結を使おうとした時、ナツとルーが止めるのを計算に入れてやがったのか」
「いや・・・まさか奴等があの魔力に近づけるとは想像もしてなかった」
「じゃあ本気で喰らうつもりだったのか」
「そうだ」
「えぇっ!?」
ルーは叫び、ハッと口を手で覆った。
「だが俺は助かる・・・そう気づいたから『やれ』と言った」
「やはりそうか・・・」
「たとえ俺が氷に閉じ込められようと、俺には仲間がいる。そしてここは月の雫で絶対氷結を溶かせる島だ」
「うかつだった・・・これで絶対氷結は無力だな」
「それでもこの俺との決着を望むと?」
「だって決着を望んでいなかったらここにはいない・・・何でもないです」
ルーが口を開いたが、リオンの冷たい目で軽く睨まれ口を閉じた。
「お前は俺には勝てな・・・」
「もうやめよう」
「何!?」
思いがけないグレイの言葉に、リオンは目を見開いた。
「デリオラは諦めるんだ」
「何でバカな事を・・・脅しの次は説得だと?貴様のギルドは牙を抜く優秀な歯医者でもいるのか?」
「いないよ」
それだけ言い、睨まれる前にルーは口を閉じる。
「リオン・・・よく聞いてくれ」
そして、グレイは口を開いた。
「ウルは生きてるんだ」
リオンは口を閉じ、目を見開いた状態で静止する。
「絶対氷結は自らの肉体を氷に変える魔法だったんだ。あの時・・・デリオラを封じた氷・・・つまり、お前が今溶かそうとしてる氷はウルなんだ」
薄い水色の髪が靡く。
「ウルは氷となって・・・今も生きている・・・」
雑草の葉っぱが舞った。
ルーも驚きで目を見開いている。
「今まで黙っていたのは悪かった・・・ウルとの約束だったんだ」
―アイツの事だ。私が氷になった事を知れば、この魔法を解く為に人生を棒に振るうだろう―
ウルの言う通りになったという訳だ。
実際には、ウルを超える為に絶対氷結を解こうとしている
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