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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四九幕 「零の領域」
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とうと瞬時加速を使って
邁進
(
まいしん
)
してくる。ああ、これは今からでは回避も防御も間に合わないな。・・・ま、それも仕方がないのかもしれない。俺には箒を倒せるだけの力がなかったってだけだ。
ごめん、ユウ。俺、あんな偉そうなこと言っておいてここで負けるみたいだ。
ふと、夢を思い出す。
白い道と黒い道。今の一夏にはそれがどんな道かなんとなくイメージが湧いた。
あの白い道は俺が千冬姉の事を言い訳に、するべき努力を手放した惰性の道。だから白い道には俺が他の事を投げ出して近づこうとしているベルーナがいた。黒い道に俺が惹かれたのは、ISを得て再び剣道の道へ心が向かい始めていたからだろう。
黒い道、あの先にはいったい誰がいたんだろう?何があったんだろう。それがもう永遠にわからない結果のように思えて顔を顰める。
なら、今から行けばいいだろ。
「え?」
気になるんだろう、行けよ。なんなら”俺”が連れて行ってやる。
「だ、誰だよ?」
とっととしろよ。でないと、”俺”が全部勝手にやっちまうぞ?
「お前、何を―――?」
―――だめ!体を任せちゃだめ!!
突然割り込んできたのは、どこかで聞いたことのあるか細い女の子の声だった。だが、その言葉を聞いたときには俺はすでに体の自由が利かず、あの夢で俺に纏わりついた泥が這うように全身に纏わり付いていた。今見ているのが夢なのか幻なのか、俺にはその判断さえつかなくなりつつあった。
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