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第六十三話 姿を現すもの
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サラマンダー領の首都ガタン。その中心にある領主館にフォルテは足を運んでいた。いつもパーティーを組んでいるお供の三人+αは一緒にはいない。

「んで、珍しく俺を呼び出した理由はなんだ、モーティマー?」

不機嫌そうにそう言うフォルテにモーティマーは威圧するようにドスのきいた声で要件を言った。

「今、蝶の谷に向けてユージーンを含む大部隊を送った」

「で?」

「貴様もそれに参加しろ」

「・・・その大部隊とやらは出発したんだろ?まさか追いかけろなんていうつもりじゃないだろうな?」

「そのまさかだ。貴様なら今から行っても十分追いつけるだろう」

伝説級武器こそ持たないもののユージーンと互角の勝負ができるフォルテ。これまで納税やその他もろもろを無視し続けてきたフォルテだが、最古参同士ということもありその実力はしっかりとわかっているモーティマーがそんなフォルテをたかがその程度のことでレネゲイトするわけがなかった。もし仮にレネゲイトでもして他種族に傭兵として雇われてしまえば一気にサラマンダーは不利になってしまう。世界樹攻略をするためにはユージーンとフォルテの両名が必要不可欠、とモーティマーは考えているのである。もっとも、その本人自体は世界樹攻略などどうでもいいと思っているのだが。

「・・・わからねぇな。一体何を躍起になってる?領の谷に何があるんだよ?」

「シルフとケットシーが同盟を結ぼうとしている」

「へぇ、そうなのか」

「ここで同盟を許してしまえば勢力図は大きく変わってしまうだろう」

「だろうな」

「それを黙って見過ごすわけにはいかん」

「・・・・・・」

モーティマーの考えを聞いたフォルテは静かに溜息を吐いた。正直な話、フォルテにとってはどうでもいい事であった。が、モーティマーの性格のあらかたは理解しているため、頑なに命令を拒めばやかましくなってしまう。それを経験で知っているフォルテは適当に返事をした。

「へいへい。今から行けばいいんだろ。部隊編成その他もろもろ、詳しく教えな」



「って、わけでここに来た。ああ、安心してくれ。ぶっちゃけ適当に顔出してアリバイ作りに来ただけだから」

堂々とそう言いきるフォルテにユージーンを含むサラマンダー一同は呆れるしかなかった。フォルテの貢献度の無さはサラマンダーの中でも有名であり、これまでに似たようなことが何度もあった。そのたびになぜレネゲイトされないのか騒がれているが、本人は全く気にした様子も詫びれた様子もない。

「何故兄者はこいつをよこした・・・」

「お前だけだとてこずると思ったんじゃねぇの?」

「・・・何だと?」

「事実苦戦どころか負けてんじゃねぇか、お前」

フォルテは顎でキリトを差しな
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