第6章:女の決意・男の勘違い
第2話:ソックリなのは顔だけ。下は……見てないから判らない。
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(ロザリーヒル)
ビアンカSIDE
結論。
あんなのリュカじゃない!
顔も声もそっくりだが、根暗でイライラする。
森の中で小一時間問答をし、顔と声だけ似てる根暗野郎が魔族の王『デスピサロ』と言う名前だと分かった。
そして襲われてた少女エルフが『ロザリー』と言う名である事も分かった。
3人のクズ野郎が言ってた『ルビーを独り占め』と言うのも、彼女が流す涙がルビーである事から理解出来た。
だが、この根暗野郎が何故こんなにも人間に対し憎しみを抱いているのかが解らない……
ロザリーが私の事を恩人であると説明してるのに、人間は信じられないと言い張り今にも私を切り殺そうとする根暗野郎……本当にイライラするわ。
顔と声がリュカに似ているから、そんな了見の狭い事を叫くコイツに心底イラつく!
その面でそんな情けない事言うんじゃないわよ!
私としても嫌われている奴の側に居るのは不本意なので、異時代からやって来たことを説明し、一番近くの村か町(人間の住んでる場所)が何処か聞くと、『そうやって他の人間共にロザリーの居場所を知らせに行く気だろう!?』と、身勝手な因縁を付けてきて私を解放しない。
この馬鹿どうすれば良い?
私に惚れたから離したくないとか言うなら“コイツも可愛いとこがあるじゃない”と、多少なりとも甘えさせてやろうと思えるんだが、言う事が陰湿かつ身勝手だから股間を蹴り上げてやりたくなるのよね。
女好きで困ったちゃんだけど、フレンドリーだから同じ面ならリュカの方が良いわ。
そんな遣り取りを終え連れてこられたロザリーの部屋……ほぼ軟禁状態だ。
何で大好きな女の子を軟禁してるんだあの根暗? やっぱヤバイ奴?
だが次の奴の言葉で、この軟禁理由が判明する。
「ここなら人間共は簡単に近付く事が出来ない……この村は知られてないし、この塔には特殊な方法でしか入れないからな。だがロザリーが一人で寂しいのも理解している。だから人間の女……お前がロザリーの相手をしていろ! それが嫌ならこの場で殺す」
ムカツクわコイツ……
可愛い顔で『ビアンカぁ〜お願い?』って頼み込めば私もメロメロ承諾しちゃうのに、基本的に頭ごなしだ。
根暗・陰険・横暴……これで暴れん坊将軍がリュカ並だってなら、ちょっとはヨダレが出ちゃうけど……いや違う!
兎も角コイツは好きになれない。
ロザリーは欲深い人間に狙われてるし、守りたい気持ちはよく解る。
軟禁状態が不本意なのも理解出来るし、話し相手的に私を幽閉するのも理解してやる。
だけども態度がムカつくのよ! 面が同じだから余計にムカつくのよ!
少しでも下手に出てれば、私だってロザリーの為に協力するわよ……えぇ喜んで!
でもアイツの態度が許せないから
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