第30話 「合成の誤謬」
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
よかったよかった」
晴れやかな表情です。
爽やかな笑みといっても宜しい。
皇帝陛下に対して、このような物言いをするとは、そちらの方にも驚きました。
やはり親子だからでしょうか?
皇帝陛下と皇太子殿下といえど、親子には違いありませんからね。
「まあ、ラインハルトには悪いけど、しばらく出向しててもらいましょう」
アンネローゼ様もにこやかに仰います。
最近、ラインハルト様とアンネローゼ様のお二人は、なにやらおかしな事になっているんです。
妙にぶつかる事が多くて、困りもの。
それにしてもアンネローゼ様の今日の格好は、淡い黄緑の、絹の紋織物のイブニング・ドレスです。細身のアンダースリーブの上に付いた、小さなパフ・スリーブ。
袖口は、あざやかなオレンジ色のベルベットのリボン。前身頃は、張りのあるウエストバンドに向けてギャザーを寄せてる。
裾の長いスカートには、細いウエストバンド。そして大きく開いた胸元の周囲をニードルポイント・レースの上に袖口と同じように、あざやかなオレンジ色のベルベットのリボンを重ねてあった。
なんというか、ずいぶん気合の入った格好で……。
ラインハルト様もそうですが、お洒落というものは、対抗するものなのでしょうか?
「さあ〜」
マルガレータさんも首を捻っています。
「どうなっているのでしょうか?」
「ミューゼル姉妹、もとい姉弟はちょっとおかしい」
お前が言うなと言いたいです。
最近ちょっと、ロリに目覚めてね、と言ってた女とは思えない。
「おら知らね」
と、嘯く皇太子殿下も、ちょっとおかしいと思います。
ああ、オーベルシュタインさんに会いたいです。
ケスラーさんがいない今、宰相府関係者では、あの方が一番まとものように思えますから……。
「解せぬ」
リヒテンラーデ候がぼそりと呟きました。
あんたもおかしいでしょうがっ!!
と叫びたい。
まったくどいつもこいつも。
帝国は腐ってる。貴腐人だらけの帝国なんか、きらいだー。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ