第壱章 【転入編】
男子校×全寮制=薔薇がさく 【第三話】
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{side 伊吹}
1-B 裕福な家の者か、頭がいい者のクラスだ。
裕福で頭がいい者はA組になるので、その両方はこのクラスには居ない。
だからか、B組にはプライドが高い奴はいないし、まとまりがあって仲の良いクラスだと思う。
そのB組に今日、新しく伊吹が転入生として入ってくる。
伊吹はかなり緊張していたし、クラスに馴染めなかったらどうしようとか言っていたが、その心配はないだろう。
実は四月と同時に、この学園に転向してきた者がいる。
たしか名前は、望月俊。 ビン底眼鏡にもさもさの鬘というダサい奴。
自分勝手だしワガママで、1度でもしゃべったりしたら友達だと勘違いする幼稚な奴だ。
どうやら綺麗なものが好きらしく、今は美形な生徒会連中に夢中らしい。
生徒会の奴らも転校生を嫌がってるみたいだが、なんでも理事長の孫らしく無下に出来ないようだ。
そんな王道が来て、腐男子の奴らも最初は喜んでいたものの、リアルに居るとうざったくなってくるわ・生徒会にベタベタするわで怒っているらしい。
もうそろそろ何処かの親衛隊が制裁してもおかしくないと、学園全体でもっぱらの噂だ。
学園ではもちろん、1-Bでも『転校生』という言葉に敏感になっていて、昨日担任の先生から「転入生がこのクラスに来る」と言われた途端皆が、また望月のような奴が来たらどうする!?と騒いでいた。
もちろん既に伊吹を知っている僕は平然としていたけれど。
だから、ビクビクしているクラスにとって、いや学園にとっても伊吹が馴染めないはずがないのだ。
むしろ歓迎されることだろう。
1つ不安なのは、綺麗なものが好きだという望月が伊吹を気に入るのでは・という事だけだ。
そんな事をボーっと考えていると、チャイムが鳴り終わり、担任の先生が教室に入ってきた。
その瞬間、クラスの皆が緊張したようにドアの方を気にし始めた。
中には神様に祈りだした奴も居る。
「今日は転入生を紹介する。 朝比奈、入って来い 」
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{side 伊吹}
あー、めっちゃ緊張する! 書道の大会よりも心臓バクバクいってんねんけど!
でも、第一印象は大切やからとりあえず笑顔でおったら良いかな...。
「今日は転入生を紹介する。 朝比奈、入って来い 」
緊張で体に力が入るのを感じながら、なんでもない様な顔をしてドアを開けた。
入った途端にしんと静まるクラスに、思わず止まりかけたが、なんとか教壇の上に立つことができた。
もう無理や---と思った直後、何故かクラス中の生徒が「やったー!」と叫び始める。
思わずポカーンとしていると、後ろのほうで椎名が手を振ってくれているのに気づい
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