第4話
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り。
しかし、迷彩はそれを難なく避け、義経に蹴りを入れる。義経もそれを間一髪で受け止める。
「弁慶! 今だ!!」
「応ともさ!」
義経の声に、待ってましたとばかりに弁慶の杓丈による剛撃が振り下ろされる。
杓丈は地面に叩き付けられると同時に轟音を轟かせ、鍛錬上の地面を砕いて土煙を上げる。そんな威力の一撃を繰り出せば普通は此処で終了。だが、弁慶と義経の連携攻撃は止まらない。
弁慶が同じような威力の剛撃を放てば、義経が弁慶とは違う、速度重視の神速の剣撃を繰り出す。
「はぁぁぁぁ!!」
「せやっ!!」
義経と弁慶が、自身が持つ最高の一撃を放つ。
審判のいないこの場では止める者は誰もいない。自分たちの判断で勝敗は決まる。
攻撃が止まないのは、相手が戦闘不能状態に陥ってないからに他ならない。
その証拠に義経と弁慶の表情は硬いままである。
「うぅ……今回も義経たちの負けだ」
ガックシと膝を突く義経。
それもそのはず、最高の一撃を繰り出したのにも関わらず土煙の中に見える人影は立ったままなのである。これを見た義経は、素直に負けを認めた。
「そう落ち込まないの義経。前回よりはまだマシになったじゃない」
「しかし……義経は義経のクローンなのだから勝たないといけない………」
「そんなことはないと思うよ。義経にだって出来ないことはあるはずさ」
落ち込んでる義経も可愛いなぁ……という本音を胸のうちに秘めながら、義経を励ます弁慶。
『義経も弁慶も、強くなったね。結構危なかったよ』
不意に聞こえた割と高めの少年の声。二人がそちらを見やる。
土煙の中から出て来た少年には掠り傷一つ無く、それを見た弁慶は思った。
―――説得力にかけるよね……
全力で挑んで掠り傷一つ無いとか何なのさ……と、流石の弁慶も苦笑いが抑えられない。
初めて挑んだ時は何も出来ないうちに敗北した。僅か一秒も掛からず。
この結果に対しては、普段は面倒くさがりの弁慶も悔しく思い、義経と共に鍛練の時間を増やした程だ。
しかし、結果は今回も敗北。義経的には前回よりも善戦したと言っても、それは時間的なもので、結果が変わらなければ同じこと。
ああ、今夜も義経は可愛いだろうなぁ……と、今夜部屋で落ち込んでいるであろう主の一挙一動に、思わず顔が綻ぶ弁慶であった。
因みに今回は一分は耐えられたと、弁慶的には満足した結果となった。
『義経の一撃一撃が重くなってて、驚いたよ。弁慶もだんだん攻撃速度が早くなってきたし、これで与一が入ったら苦労しそうだよ』
「うぅ、義経はもっともっと鍛練の時間
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