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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
四霊王オウリューオー・第10話
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紹介と言う行為であると容易に理解できるが、生憎そう言ったことと縁遠いフェイトは未だになのはの言葉の意味を測りかねていた。どうやら彼女ことなのははこちらが名前を知らないから困っているのだと勘違いしたらしいことをアルフは悟ったが、あえてフェイトには何も言わなかった。直ぐにフェイトに助け舟を寄越しては彼女の成長に繋がらない。
会話が続かない事になのはもちょっと困った顔をしたが、思いついたようにこんな事を言い出した。
「私は名前を名乗ったから、今度は貴方の名前を教えてくれない?」
「・・・ふ、フェイト。フェイト・・・テスタロッサ」
「フェイトちゃんだね?」
「うん・・・」
少し俯きながらも何か話そうとなのはに向かい合うフェイト。そんなもどかしくも初々しい彼女にすっと掌を差し出したなのは。それはシェイクハンド、つまり握手の為の手。フェイトは今度はその行動が何か理解できたというふうにああ、と口を開いた。
「お金?」
「・・・へ?」
「町でぶつかった人から慰謝料を取るって、この国の文化に・・・」
「いやそんな文化ないよ!?あるとしてもごく一部の悪い人たちだよ!?」
ぶんぶん手を振り回して必死に間違ったNIPPONを是正しようと慌てるなのはを見たフェイトは、その慌て振りと可愛らしさに思わず笑ってしまった。笑われて恨めし気な視線をフェイトに送るなのはだったが、その顔をふっと和らげる。
「やっと笑ってくれたね」
「え?あ、その・・・」
「ねぇ、フェイトちゃん。良かったら、私と友達になってくれないかな?」
「―――え?」
「さっき『この町になれてない』って言ってたよね。だからお友達になればこの町のこと色々教えてあげたりできると思ったんだけど・・・やっぱり駄目かな?今日会ったばかりだし・・・」
「う、ううん!なる!友達!なろう?」
会話の流れも何も分かっていないフェイトだが、友達のいない彼女にとってなのはの提案は衝撃的だった。ぶつかって転ばせてしまった相手にやさしい言葉をかけてくれた彼女を拒絶することなどフェイトには出来ないし、面白い彼女の事をもっと知りたいとさえ思っている。でも―――
「友達って、どうやってなればいいの?」
「そんなの簡単だよ!―――名前を呼べばいいんだよ」
「えっと・・・なのは」
「フェイトちゃん」
「なのは!」
「フェイトちゃん!」
「なのは!!」
「フェイトちゃん!!」
「なのはー!!」
「フェイトちゃーん!!」
・・・どうにも何かを勘違いしているフェイトとその勘違いをノリで受け入れているなのはの名前合戦は、収拾がつかないと判断したアルフの鶴の一声ならぬお犬様の一吠えで終結を迎えた。
これがフェイトにとっての友達第一号であり、なのはの魔法使い友達第一号
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