永遠の魔法
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行け。アレは私が倒す」
「だ・・・ダメだ・・・俺は・・・行けない・・・こんな事になったのは、俺のせいだ・・・」
「誰のせいでもない。幸せを取り戻す為の試練だ」
その言葉に、グレイは顔を上げた。
ウルは微笑んでいる。
・・・その言葉を、リオンが聞いているとも知らずに。
冷気と熱気、それを中和する風が吹き荒れる。
「チィッ」
「ぬおぉっ!」
「わわわっ!」
ナツの炎とリオンの氷がぶつかり合った。
「ん?」
「!」
ピキッと小さい音を立てて、氷の壁にヒビが入る。
パキィッピキピキピキ、ピキィ、パキ、ピキピキパキィパキッ・・・と音と共にヒビは大きくなっていく。
「何だ!?」
「誰か来る!」
「ウル・・・本気でやってるの?」
リオンが小さく呟く。
「リオ・・・」
「幸せだとか・・・何ソレ・・・ウルは最強の魔導士・・・あんな怪物ごときに勝てないはずないだろ?」
「リオン・・・前にも言っただろ?上には上がいる」
「そんなのいない・・・」
「西の国に行けば、私より強い魔導士は山ほどいる」
「ウルが最強だ。じゃないと、俺・・・何の為に修行したのか・・・」
「私を超えた時は次なる高みの目標を見つければいいだろう?」
ウルはそう言うが、リオンは何かに憑りつかれたように言葉を続ける。
「俺はアンタが最強だと信じて弟子入りしたんだ・・・あんな怪物に負けるなよ・・・俺を裏切るなよぉ・・・」
「リオン・・・」
ウルは溜息をつく。
「アンタが本気を出さないなら俺がやる」
「!その構え・・・!一体どこでその魔法を!」
「え?」
リオンは両腕を体の前でクロスする。
コォォォォ・・・と徐々に魔力がリオンを包んでいった。
「アンタがなかなか強い魔法を教えてくれないから、倉庫の魔導書を読ませてもらった。こんなに強い魔法を隠してたんだ・・・絶対氷結」
「絶対氷結!?」
「リオン!その本、最後まで読んでないだろ!その魔法を使った者は・・・」
そう叫びながらウルがリオンの服を掴む、が。
「うあっ!」
「ウル!」
そのすさまじい魔力に跳ね返されてしまった。
魔力を察知したデリオラがギロッとそっちを向く。
「す、すさまじい魔力だ・・・」
「チッ、気づかれた」
「デリオラにはどんな魔法も効かない・・・ならば、この魔法で永久に氷の中に閉じ込めてやる」
そうリオンが呟く。
「その魔法を使ってはならん!」
・・・が、発動する前にウルがリオンを氷の中に閉じ込めた。
リオンは腕をクロスにしたまま、氷の中で動きを止める。
「ウル!何
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