暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
永遠の魔法
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ねぇ」

すると、草むらがガサガサ揺れ始めた。

「待て!誰かいる」

ガサガサと音が大きくなる。

「見つけたぞ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)!」

草むらから現れたのは、月の雫(ムーンドリップ)の儀式を行っていた覆面集団だった。
かなりの人数がいる。

「うわぁっ!」
「変なのがいっぱい!」

それを見たエルザとティアは一瞬顔を見合わせ、頷いた。

「行け」
「!」
「ここは私達に任せろ」
「エルザ・・・ティア・・・」

その2人の行動にはグレイだけではなく、ルーシィとハッピーも驚く。

「兄弟子との決着をつけて、夢だけを見ている兄弟子に現実というものを見せてやりなさい」

相変わらず冷たい口調でティアが言う。
その言葉にグレイは頷き、遺跡へと向かっていった。









「まいったな・・・ここまで強いとは・・・」

時は10年前。
氷の造形魔導士ウルは、厄災の悪魔デリオラと対峙していた。
額から血を流し、着ている服もボロボロだ。
その近くには倒れるグレイとリオン。
デリオラが口を開き、炎を吹き出す。
ウルは荒く息をしながらも、2人の弟子を抱えて避けていた。

「うあああっ!」
「グレイ!」

グレイが気を取り戻す。

「大丈夫。もう大丈夫だ」
「ウル・・・!?え・・・?何で・・・!?」
「いいからリオンを連れて離れろ・・・庇いながらじゃ戦いづらくてしょうがない」
「リオン・・・?」
「ダウンしてるがな」
「ひっ」

デリオラを見て、グレイが尻餅をつく。

「早く行け!さっさとコイツ片づけてやるからっ!」

リオンを担いだグレイが、震える声で尋ねる。

「な・・・何で・・・き・・・来たんだ・・・お・・・俺・・・破門、だろ?」

それを聞いたウルは、薄い笑みを浮かべる。

「以前・・・友人に自分の幸せについて考えろと言われたんだ。そんなに不幸そうなツラしてる覚えはないんだけどね」

そして、振り返る。

「だってそうだろ?可愛い弟子が2人もいて、日に日に成長し賑やかな毎日。十分幸せだ」

ウルは立ち上がる。
そして、グレイは漸く気が付いた。

「その幸せを取り戻す為に来た」
「ウ・・・ウル・・・いや・・・そ・・・その・・・その・・・足・・・」

そう。
ウルの右足は、『氷になっていた』。
本来人間にある足に似た形をした氷。キラキラと光を帯びている。

「持っていかれたが気にする事はない。素晴らしいだろう?造形魔法は」
「ひっ・・・ひ・・・いっ・・・ひっ・・・」
「あの怪物がお前の闇ならば、私にも戦う理由があるという事だ」

デリオラは目標を失い、彷徨っている。


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