永遠の魔法
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ねぇ」
すると、草むらがガサガサ揺れ始めた。
「待て!誰かいる」
ガサガサと音が大きくなる。
「見つけたぞ、妖精の尻尾!」
草むらから現れたのは、月の雫の儀式を行っていた覆面集団だった。
かなりの人数がいる。
「うわぁっ!」
「変なのがいっぱい!」
それを見たエルザとティアは一瞬顔を見合わせ、頷いた。
「行け」
「!」
「ここは私達に任せろ」
「エルザ・・・ティア・・・」
その2人の行動にはグレイだけではなく、ルーシィとハッピーも驚く。
「兄弟子との決着をつけて、夢だけを見ている兄弟子に現実というものを見せてやりなさい」
相変わらず冷たい口調でティアが言う。
その言葉にグレイは頷き、遺跡へと向かっていった。
「まいったな・・・ここまで強いとは・・・」
時は10年前。
氷の造形魔導士ウルは、厄災の悪魔デリオラと対峙していた。
額から血を流し、着ている服もボロボロだ。
その近くには倒れるグレイとリオン。
デリオラが口を開き、炎を吹き出す。
ウルは荒く息をしながらも、2人の弟子を抱えて避けていた。
「うあああっ!」
「グレイ!」
グレイが気を取り戻す。
「大丈夫。もう大丈夫だ」
「ウル・・・!?え・・・?何で・・・!?」
「いいからリオンを連れて離れろ・・・庇いながらじゃ戦いづらくてしょうがない」
「リオン・・・?」
「ダウンしてるがな」
「ひっ」
デリオラを見て、グレイが尻餅をつく。
「早く行け!さっさとコイツ片づけてやるからっ!」
リオンを担いだグレイが、震える声で尋ねる。
「な・・・何で・・・き・・・来たんだ・・・お・・・俺・・・破門、だろ?」
それを聞いたウルは、薄い笑みを浮かべる。
「以前・・・友人に自分の幸せについて考えろと言われたんだ。そんなに不幸そうなツラしてる覚えはないんだけどね」
そして、振り返る。
「だってそうだろ?可愛い弟子が2人もいて、日に日に成長し賑やかな毎日。十分幸せだ」
ウルは立ち上がる。
そして、グレイは漸く気が付いた。
「その幸せを取り戻す為に来た」
「ウ・・・ウル・・・いや・・・そ・・・その・・・その・・・足・・・」
そう。
ウルの右足は、『氷になっていた』。
本来人間にある足に似た形をした氷。キラキラと光を帯びている。
「持っていかれたが気にする事はない。素晴らしいだろう?造形魔法は」
「ひっ・・・ひ・・・いっ・・・ひっ・・・」
「あの怪物がお前の闇ならば、私にも戦う理由があるという事だ」
デリオラは目標を失い、彷徨っている。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ