永遠の魔法
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やらを袋に詰める女性に、リンゴをシャリっとかじりながらウルが答える。
「ねぇん、大きくなったらどっちかちょうだいよ」
「両方やるよ。毎日うるさくてかなわん」
「アンタ、子持ちに見られるから男寄り付かないのかしらね〜」
「よけーなお世話」
そう言いながら代金を支払う。
「ウルもいい年なんだから、そろそろ自分の幸せ考えてもいいんじゃないの?」
一方その後ろでウルを待っているリオンとグレイは、何回目かの同じ会話をしていた。
「なぁグレイ。俺達はあとどれくらいでウルを追い越せるかな?」
「興味が無い」
「ウルは俺の目標なんだ。いつかウルに勝つ事が、俺の夢なんだ」
「興味がねぇって言ってんだろ。それに聞き飽きた」
キラキラとした目で語るリオンに対し、グレイは暗い。
「俺はデリオラを倒せればそれでいい。力さえ手に入れたら、あのクソ女ともおさらばだ」
「だ〜れがクソ女だってコラァ!」
「って」
戻ってきたウルがぽかっとグレイの頭を叩いた。
「いつになったら強い魔法教えてくれんだよ」
「もう教えてるじゃないか」
「造形魔法のどこが強ぇ魔法なんだよ!こんなモン、何の役にも立ちゃしねぇ!」
そう言うグレイに対し、ウルは真剣だ。
「言っただろう?造形魔法は自由の魔法。己の形を見つけた時、それはいくらでも強くなる」
「ケッ」
「てか何でこんな所で脱いでんのよ!」
「な・・・!くそっ!お前のせいで変な癖ついた!」
グレイの脱ぎ癖はウルの修行のせいらしい。
そしてそこに、とある会話が聞こえてきた。
「そーいや、デリオラの話聞いたか?北の大陸に移動したらしいな。ブラーゴ辺りにいるってよ」
「マジか。じゃあイスバンに平和が戻ったのかよ!?」
これは単なる普通の会話。
だが、そこにはデリオラを激しく憎む少年がいた。
「ブラーゴに・・・」
「よせ!デリオラなんかに勝てる訳ないだろ!お前じゃ無理だ、グレイ!」
ウルが叫ぶ。
「うるせぇよ。お前なんかに解るかよ。俺は父ちゃんと母ちゃんの仇を取るんだ!なんか文句あんのかよ!」
「出ていけば破門にする!」
「あぁ・・・せいせいするよ!」
「グレイ!」
そして、グレイは小さく呟いた。
「俺が死んだら、もっと強い魔法を教えてくれなかったアンタを恨む」
「遺跡が傾いて・・・る?」
「どうなってんだー!?」
遺跡の前に到着したルーシィ達は、傾いた遺跡を見て驚く。
「ナツとルーだな。どうやったか知らねぇが、こんなデタラメするのはアイツ等しかいねぇ。狙ったのか偶然か・・・どちらにせよ、これで月の光はデリオラに当たら
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