永遠の魔法
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・・・ですが解ってくだされ。デリオラを復活させるまであなたを失う訳にはいかないのです」
「俺があんな炎を喰らったくらいで死ぬと?」
そう言い終えたと同時に、ピキピキとリオンの足元から冷たい冷気が噴き出し、それは氷と成っていく。
床だけではない。壁も柱も、全てが薄い緑色の氷に覆われていった。
そして最終的に、巨大な氷の壁が遺跡の一室を覆った。
「出ていけ。コイツは俺1人で片づける」
ルーがナツを引っ張り、2人は穴の中から顔を出した。
「俺はデリオラを倒せる唯一の魔導士、零帝リオンだ。こんな小僧を消せんようでは名が廃る」
それを聞いたザルティは仮面の上から額に手をやる。
「おやおや・・・」
そしてそれを聞いたナツとルーは顔を見合わせ、同時に呟いた。
「「デリオラを倒す?」」
「それがアイツの目的なの!?」
一方その頃、遺跡に向かうルーシィ達も、リオンの目的をグレイから聞いていた。
「もう半分倒されてるようなモンじゃねーか」
「わざわざ氷から出して、アイツと勝負したいの?変わった人だね、君」
「全てはウルを超える為・・・夢の続きを見る為だ!」
そう言って右手をナツとルーに向け、氷の鷲の大群を放つ。
「だったらウルと直接戦えばいいんじゃねーの?」
「それが出来ないんだよ、ナツ・・・そうでしょ?」
「あぁ。ウルは既に死んでいる」
器用に鷲を避けながら、ナツはグレイの言っていた一言を思い出す。
―俺に魔法を教えてくれた師匠、ウルが命をかけて封じた悪魔だ―
「あれは死んだって事だったのか・・・」
「グレイのせいでなっ!」
そう叫び、バッと右手を向ける。
1羽だけ残っていた氷の鷲をナツに直撃させた。
煙が晴れ、姿を現したナツは鷲を左腕でガードしており、鷲が当たった箇所からは血が出ている。
「過去に何があったか知らねぇが、今お前がやろうとしてる事で迷惑してる奴が沢山いるんだ」
「夢を追うのは自由だけど、ならせめて誰にも迷惑かけないでくれないかな」
そう言うナツとルーを、リオンは冷めた目で見る。
「いい加減目覚ましてもらうぞ、熱〜いお灸でな」
「リオンは昔からウルを超える事だけを目標にしてきた」
「なるほど・・・ありがちな考えよね。そのウルとかいう女がいなくなった今、ウルが倒せなかったデリオラを倒す事でウルを超えようとしている、と」
「あぁ」
バカじゃないの、とティアが小さく呟く。
「そっか・・・死んだ人を追い越すには、その方法しか・・・」
「あい」
ルーシィとハッピーがそう言うと、グレイは口を開いた。
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