傭兵
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てからのアッパーカット
鋼の如く硬い拳が春蘭に襲いかかる
不味い!
あわてて身構える春蘭だったが目の前の男が姿を消した
上…?いや!下かっ!
とっさに体勢を崩しながら後ろに下がる
暁が見えた訳ではない
只の野性的な勘である
その読みどおりに下から暁の強烈なアッパーカットが身体を掠めた
空気を強引に切り裂く拳
あんなものが当たったら即死だろう
背筋が凍りつき冷や汗が出た
舐めてかかれば死ぬ
改めて剣を構え直して男を直視する
もう油断しない
全力で殺す
しかし…何かスースーするな…
何だか様子がおかしい
華琳様はニヤニヤしてるし
緑の奴はばつが悪そうに頭をかいているし…
周りの兵達もざわざわしている
一体何なのだ?
さっぱりわからん
「貴様!私を舐めているのかっ!」
「すまねぇ、舐めてはいないが…」
「ならばなんだ!」
「いや、原因は俺だから一応謝るべきか…」
「ええい!はっきりと言え!」
「すまん、服が破れて…その、見えている…」
「え?」
目線を下にやると、先程の拳を掠めた服が破れて
胸がはだけていた
爪先から頭のてっぺんまで何か熱い物が上がってきた
プシューと蒸気が吹き出している
顔は真っ赤になり恥ずかしさから動く事が出来ない
口をパクパクさせながらそのまま倒れた
オーバーヒートしてしまった春蘭
衛生兵に担架で運ばれていった…
「何だ、わりぃ事しちまったな」
後頭部をボリボリかきながら暁は謝る
実際、ラッキースケベなので気にはしていないが
「春蘭を軽くあしらうなんてやっぱり只の男じゃないわね」
「俺は何もしてねぇぜ?あの嬢ちゃんが勝手にぶっ倒れただけだ」
「まぁ良いわ…私は曹孟徳、貴方の名教えなさい」
「(まだガキに見えるが…とんでもねぇ気をビリビリ当ててきやがると思ったが…あの覇王曹操だと?冗談きついぜ…)俺の名前は暁 巌だ」
「変わった名前ね、所で貴方?私の物になりなさい」
「生憎、今の所は食いぶちはあるんでね」
そう言って暁は回れ右をして歩きだす
「俺は傭兵だ、縁がありゃまた会うだろよ」
「そう、その時は味方かしら?」
「さてな…戦場で会おうぜって赤い嬢ちゃんに伝えてくれや」
ダッと駆け出してあっという間に見えなくなった
得体の知れない男…暁 巌
「初めてね、私が男に興味を持つなんて」
欲しい物は全て手に入れる…国も人も…ね
暁の背中を見ながら曹孟徳はほくそ笑んだ
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