傭兵
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
砦から爆音が響き、巨大な建物が崩れさる
ほんの一瞬の出来事であった
外壁が連動して弾け飛ぶと凄まじい砂埃をたて
瓦礫の山が目の前にあった…
その日私達は華琳様と共に賊の征伐に来ていた
何の事はない、何時もと同じだ
たかが野党風情に遅れを取るはずもなく
野営していた賊を成敗し砦を攻め落とす矢先
緑の服を着た妙な男がいた
変な物をぶら下げ、人間を紙細工の様に
投げ飛ばし打ち砕く様子はまるで悪鬼羅刹
何故そう思ったのか?
返り血を浴びながら男の顔が笑っていたからだ
危険過ぎると己の本能が警告を発する
幸い男は私に気がついていない
必殺の距離にいる男に向かい弓を放つ
もらった…!
矢は真っ直ぐ男に向かう
しかし…矢は当たらなかった
後一歩の所で男は歩みを止めて此方を見ていたのだ
背筋が凍りつく
すかさず第2第3射を放つべく弓を構えた
狙うは額と心の臓
外す距離ではないし普通なら当たるはず
綺麗な姿勢から放たれる渾身の矢
矢じりは空気を切り裂き吸い込まれる様に額と心の臓に向かう
しかし…男はその場から動く事なく涼しい顔で
矢を避け叩き落とした
より一層の不気味な笑みを浮かべながら…
焦りと恐怖が身体中からこみ上げる
馬鹿げている…奴は人間かっ!
驚愕すると同時に次の手を思案していると
男の近くに華琳様が居るではないか!
「華琳様っ!」
考えるよりも先に身体が動いていた
愛馬の手綱を強く握りしめ主の元へ向かった
「貴方…何者?」
「名乗る義理はねぇな」
ボキボキと指を鳴らして暁は睨む
知りたければ力ずくで言わしてみろ
そう言わんばかりに挑発的に構える
「そう…嫌いじゃないわよ?暴力的な交渉もね、春蘭!」
誰かの真名?を言うと空からデカイ剣を持った女が降ってきた
大袈裟切りに刀身を地面に叩きつけると小さなクレーターが出来ていた
なんて馬鹿力なんだ…サイボーグか何かかっ!?
呆れる程の力にたじろいだ暁
赤い女は更に追撃をしてきた
力任せに縦横に振り回す
しかし隙はない、身のさばき方や間合いの取り方
どれも達人級だ
刃先が頬を掠め血が垂れる
「いいねぇ…こうでなきゃ楽しくねぇ」
「ふん!避けてばかりの男が偉そうに…」
「美人にはサービスすんのが俺の主義なんでね」
「び…ひじ、美人だと?!貴様!愚弄しおって!」
一層攻撃が激しくなってしまった
横に凪ぎ払われた刀身を紙一重でバックステップで回避して
ギュッと拳を握りしめた
目付きが変わり殺気を噴出させる
遊びは終わりだ
修羅の如く構えた暁
その気迫に周りの人間は皆肝を冷した
気迫に気をされた春蘭の一瞬の隙をついて
一気に間合いを詰める
必殺必勝の潜りこむ様に肉薄し
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ