最終話
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故か悔しがっている焔耶がいたそうな。俺の身体が持たんぞい……。
そして峠を再び越えて河内湾の海岸へと戻った。
「さて、湾に戻ったのは良いけど私達が構える拠点は何処にするのかしら?」
「それもあるが……一番の問題は誰を王にするかじゃな」
建てられた天幕の中で美羽はそう切り出した。
「王の選別は既に決まっているわよ美羽」
「華琳もそう思うのかや。まぁこれは思っていても声に出して言わねばならんからのぅ」
美羽はそう言って俺に視線を向けた。てか他の皆も俺に視線を向けて……まさか。
「……あの、美羽さん? まさか俺に王をしろと言うのでは……」
「当たりじゃよ長門。この中で一番適任なのは長門だけじゃ」
「……理由を聞いても良いか?」
「我々は此処で言えば大陸人じゃ。じゃが長門は未来の人と言えど倭国の人間じゃ。我等が知らない倭国の事は知っておるじゃろう。それに大陸の人間が倭国で王になろうと言うのはちと難しいのじゃろう」
……まぁ大体は予想出来た事だな。
「……判った。俺が王……大王になるが、あくまでも代表と言う形にする」
俺が王を名乗ればそうなれば……恐らく天皇になってしまう。いくら俺が日本人でも天皇になろうと言うのは暴挙に等しいからな。
「判ったのじゃ。それでは大王として初の仕事じゃ。我等が構える拠点は何処にすれば良いのじゃ?」
「そうだな……河内湾の西に台地があるな。そこに拠点を構えよう」
台地は恐らく上町台地の筈だから難波宮でも作ろうか。
彦五十狭芹彦命様と稚武彦命様は吉備国へ戻ったが十分な援助はしてくれるとの事だった。
また、大日本根子彦国牽尊の根回しもあったのか河内湾のほとりに住む人々は俺達に協力してくれるようになった。
それから三ヶ月の月日が経ち、簡易ではあるが難波宮が完成した。(と言っても皆が住める大きめの家と会議をするための寄合所だけ)
河内湾沿岸には大陸の戦火から逃れてきた人々には家作りの大工等がいたため工期も早かった。
そして俺は曹操達を集めた。
「まず、我等がすべき事は三つある。それは国作り、人々の繁栄、大陸の動向だ」
「国作りと繁栄は判るけど大陸の動向は何かしら?」
「大陸は既に北郷達の蜀が統一しているだろう。だから船で間者を送り動向を探る」
「成る程、間者は思春と明命かしら?」
「あぁ、長期任務になるが仕方ない」
兎も角、俺達の新たなる戦いはまだ始まったばかりだ。
ちなみに、皆は名前は全て日本名に変えていた。俺は王双から河内湾から取って河内難波命という名前にしていた。
俺にしてみれば河内長門で良かったが、雪風や他の皆が「王らしい名前のが良いです」と言うから難波宮からも取った。
「ところで月のお茶
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