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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十九話 目覚めの時
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私はゆっくりと歩き出した。
side 士郎
庭園を抜けて、玉座へと続く長い廊下を歩く。
そして、最後の扉に辿り着く。
この扉を開けば、もう戻る事は出来ない事を本能的に理解していた。
だから
「夢でもまた会えてうれしかった」
自然とここで出会えた大切な人達に言葉が溢れた。
―――私もです。私はいつでも先輩の事を応援してますから
―――シェロの決めた道、突き進み辿りついて御覧なさい
―――サクラと共に無事を願っています
―――シロウ、御武運を
一陣の風に乗って聞えた声に振りかえる。
だがそこには誰もおらず無機質な廊下が続くだけで人の気配もない。
俺が元の世界に戻る事はない。
これが本当の別れになるのだろう。
だけど彼女達の事だ、もしかしたらまたどこかで出会うのかもしれない。
「ありがとう」
ゆえに別れの言葉は言わないでおこう。
俺は玉座への扉を開き、彼女たちへの感謝だけを口にして扉をくぐる。
俺が通った後、扉は自然と閉じる。
そして、部屋の奥に玉座に座る少女と玉座に寄りかかるように女性が立っていた。
「やはり最後に見送ってくれるのは二人なんだな」
「当然よ。まあ、桜やセイバーには文句言われそうだけど」
遠坂が大きなため息を吐く。
確かにそれは俺も遠慮したいな。
「それにしてもその姿は良いな。
姿を変えれるのならば私と同じでさらに良いのだが」
無茶を言わないでくれ。
「やめてよ、アルト。
この姿で士郎がいたらあの白騎士が何をするかわからないわ」
「……ああ、まあ、フィナは……あの趣味だからな」
……確かに元の世界でこの姿でいたら何をされる事やら。
やめよう。
精神的によくない。
「まあ、この話は置いておくとして。
記憶は戻っておるな」
「ああ、イリヤが鍵を教えてくれたからな」
元の世界では知る事が無かった俺のもう一つ魔力の源。
それが記憶を取り戻すために知覚する一番の鍵となった。
「普段は小悪魔な癖に、士郎の事になるとしっかりお姉ちゃんしてるんだから」
「まったくだな」
遠坂とアルトが笑い合う。
「さて、衛宮士郎。
汝に問う」
アルトの言葉に空気が張り詰めた。
そこに立つのは黒の姫君と呼ばれるに相応しい威圧感を纏ったアルト。
そのアルトに怯えることなく真っ直ぐ見つめる。
「汝は何を選択する?」
「元の世界に戻る事を」
「何を成すために?」
「はやてを、シグナム達を、あの世界で出会った大切な人達を守るために」
俺の答えに満足そうに頷く二人。
「それじゃ私達の役目もここ
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