第二章 [ 神 鳴 ]
十七話 王の使い
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としていた。
「神狩ってお父様の通り名よ。知らなかったの?」
「うひゃぁーーーー!!!!」
突如空間に亀裂が走りその隙間から紫が身を乗り出してきた。その光景に楓が素っ頓狂な悲鳴をあげて後ろに倒れる。
紫の能力で創ったスキマは空間と空間を繋げて移動することが出来る。これが出来る様になった頃、紫は村中をスキマで移動して村人達を驚かせていたな。でも今では慣れたものでひっくり返った楓に苦笑いを浮かべていた。
「こら、留守番してろとは言ってないけど急に出てくると客がビックリするだろう」
「えへ☆ごめんなさい♪」
全然悪びれた様子も無くそう返してきた。実は紫が付いて来ている事には気付いていた。
「大丈夫かい楓。紫ちゃんと自己紹介しなさい」
おっかなびっくりな感じでこっちを見ていた楓の前に紫が移動する。
「突然で申し訳ありませんでした。私は七枷虚空の娘で七枷紫と申します。どうぞ見知りおきを」
そう言うと優雅に腰を折る。そんな礼節どこで憶えたのだろうか。
「え、は、はい。わ、私は白輪楓と言います」
すこし混乱気味に紫に返事を返していた。多分紫が妖怪なのに僕の娘と言ったのが気になっているんだろう。説明してあげてもいいけど、まぁ後でいいか。それよりも、
「えーと、そうそう僕の通り名が神狩って事だったね。でもなんで《神》狩なのさ?」
その通り名だと僕が神殺ししているみたいじゃないか。
「さぁ?私は知らないわ」
と紫、
「も、申し訳ありません。存じ上げないです」
と楓、
「わし等も分かりませんな。何時の間にかそう呼ばれていましたので」
と村長、
「多分語呂がいいからでは?深い意味は無いと思いますぞ」
と最後は岩さん。語呂ね。
「まぁいいか。別に聞く事でも無かったし」
「「「「 だったら聞くなよ!!! 」」」」
僕の発言に村人達からツッコミが入る。
「……えーと、あと1つは何でしょうか?」
楓が控えめに聞いてきた。
「あぁごめんね。こっちもあまり重要じゃないんだけど」
僕がそう言うと楓の視線が若干険しくなった。とりあえず聞くだけ聞いておこう。
「諏訪子って誰?」
「「「「 ……………… 」」」」」
そう聞くと部屋を不気味な位の静寂が支配した。見渡すと紫以外の全員が唖然としたような表情を浮かべている。
「……七枷殿」
何故か頬を引きつらせながら岩さんが話しかけてきた。
「何、岩さん?」
「……この国の名前は知っておりますな?」
そんな事を聞いてくる。
「諏訪の国。常識じゃないか」
胸を張ってそう答える。
「よろし
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