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銀河英雄伝説〜悪夢編
第四十話 抜いた以上容赦はしない
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降者を受け入れる際に私が襲われ負傷した。襲撃者はシュトライト、アンスバッハ准将の二人、両名はその場にて射殺。私は頭部に重傷を負ったため意識不明で回復は難しいと」
「はっ」

「全軍、オーディンに向けて進撃せよ!」
司令長官の命令に全員が敬礼で答えた。



帝国暦 488年 8月 27日  帝国軍総旗艦  ブリュンヒルト  エーリッヒ・ヴァレンシュタイン



艦隊はオーディンに向けて進撃している。俺がテロに遭ったと聞いたリヒテンラーデ侯は俺の状態よりも犯人の事を確認したそうだ。射殺したとメックリンガーが答えるとホッと息を吐いたとか。秘密がばれることは無いとでも思ったのだろう。そして俺が意識不明の重体、回復は難しいと聞くと“惜しい事だ”と呟いた。喰えない爺だよな。

いや、喰えないのは俺も同じか、アンスバッハ達を使ってあの老人を嵌めたのだから。分かるか、ラインハルト。剣を抜くのは一度でいいんだ。そして抜いたら躊躇わずに必ず斬る! お前の様に常に抜身の剣を手に持っているような奴はいたずらに危険視されるだけだ。覇権を握った俺を甘く見るなよ、何時までも我儘が許されるとは思わない事だ。

制圧するべき場所はリヒテンラーデ侯邸、エーレンベルク元帥邸、シュタインホフ元帥邸、軍務省、統帥本部、新無憂宮……。オーディンから逃げ出す事が出来ないように三個艦隊は宇宙空間にて待機……。指示は出した、手抜かりは無い。……いやもう一つあったな、やっておく事が。

「フェルナー大佐」
「はっ」
指揮官席に座る俺にフェルナーが近寄って来た。嬉しそうな表情だな、特別任務だとでも思ったか。その通りだ、喜べ、楽しい任務だからな。傍に居るメックリンガーとヴァレリーは微妙な表情だ。危険物が近付いたとでも思っているのだろう。

「陸戦隊を指揮してください」
「承知しました。で、どちらに?」
「皇帝陛下の身柄を確保する任務を頼みます」
俺の言葉にフェルナーが頷いた。

「先にリヒテンラーデ侯の手の者が陛下の御傍に居た時は如何します。或いは血迷った馬鹿者が陛下の御命を盾に逃げ延びようとした場合は」
嬉しそうに言うな、俺を試して喜んでいるのか? メックリンガーもヴァレリーも心配そうに俺達を見ている。

「その場合はリヒテンラーデ侯は大逆罪を犯す事になります。一族皆殺しですね」
「それは」
声を上げたのはメックリンガーだった。ヴァレリーは引き攣っているしフェルナーは無言だった。フェルナー、満足か、これで。何時の間にか周囲の人間もこちらに注意を向けていた。その中にはアンスバッハ、シュトライトもいる。

「そう警告してください。陛下を盾にする事が反って危険だと理解させればいいでしょう。諦めるはずです」
誰かが息を吐いた。メックリンガーもヴァレ
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