第百七話
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ろ見えてくる頃です」
雪風はそう言った。それから十数分後に幾つもの濠を構えた集落が見えてきた。
「あれが私の故郷の邪馬台国です」
「……やっと到着したか」
長い道程だったよなぁ……。特に海路は皆が船酔いしてたからなぁ。
そして門を潜って馬を預けてから宮殿へと向かう。
――宮殿――
「ようこそ倭国へ。私が邪馬台国の王である大日本根子彦国牽尊です」
「妾が元仲の王である袁術じゃ」
「元魏王の曹孟徳よ」
大日本根子彦国牽尊は日本書記や古事記等では孝元天皇となっているが欠史八代の一人であり実在しているかは判らない人物であった。
俺達の前にいるのが孝元天皇なら欠史八代は実在しているけどな。
(欠史八代や葛城王朝等々、色々混ぜています。日本史はロマンですよby作者)
「王と言いますが、実際に邪馬台国を治めているのはそちらにいる雪風ですけどね。私は雪風の補佐をしているに過ぎません」
「ですが実質的に国を治めているのは貴方ですのじゃ」
「成る程、これは一本取られましたね。それで此処まで御足労を頂いたのはやはり……」
「はい、戦に破れてこの倭国に逃げてきましたのじゃ」
「成る程、それは大変な事でしたな。ですが……貴殿方を此処で住むわけにはいきませんな」
「……それはどういう事ですのじゃ?」
まさかの返答に俺も内心冷や汗をかいた。
「なに、貴殿方は大陸からやってきた。恐らくは文化の違いが出るのは間違いありません。大陸から戦火を避けて邪馬台国にやってきた人々との間で衝突もありました。なので此処で住むと再び衝突する恐れがありますので住むわけにはいかないというわけです」
「成る程、文化の違いがありますわね。で、私らは野宿かしら?」
挑発すんな曹操。
「いえ、貴殿方には河内湾に構えてもらいもしょう」
「河内湾に……?」
「はい、恐らくこれからは大陸の戦火から逃れてやってくる人々が多くいるでしょう。その人々をこの倭国に馴染めるために河内湾に構えた貴殿方が必要です」
「……成る程。それに妾達には高度な航行技術がある……と?」
「……貴殿は幼いですが、頭の思考が早くて助かります。要は我々と同盟を組まないかと言う事です」
「成る程のぅ……長門はどう思うのじゃ?」
「……確かに悪い話ではありませんね。ですが大日本根子彦国牽尊様、何か見返りがあるのでは?」
俺の言葉に大日本根子彦国牽尊はニヤリと笑った。
「見破られましたか。見返りは貴殿方の技術です。大陸の技術を得られば我が邪馬台国は更なる発展をするでしょう」
「判りました。技術提供は了承しますのじゃ」
こうして邪馬台国との会談は終了して、俺達は河内湾に拠点を構える
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