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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十六話
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てしまうのだから仕方ないというのが管理局上層部の総意である。実際現役の局員で、彼に一対一で戦って戦闘不能まで追い込めるのは、このグレアムを含めて両手の指で数え切れるほどしかいない。

「そんなに厄介なのですか、彼は」
「厄介だ。むしろ君たちがアレに襲われていないことが奇跡としか言いようがないよ」
「はぁ……主があまりああいった人間と関わるような方ではないので」
「いい女がいれば自分からフラフラ現れるような奴よアイツは。この体のおかげでクライドさんを振り向かせられたのはいいけど、同じようにあのクズに目をつけられてるのが腹立たしくて仕方ないわ」
「こちらはアリアとロッテが二人でかかればなんとか抑えることはできるが、その間にアレコレ弄ばれているのがな……」
「強力なバインドを何重にかけても力で破りますからね……」

 それを聞いて薄ら寒い思いをしたヴォルケンズであった。今この場に彼がいないことはやはり救いだろう。




 そんな噂の根源であるフレディはというと、人払いの結界を張った小さなエリアで、自分が混ぜてもらったバンドのギタリストである女性を喘がせていた後だった。全身を真っ赤に火照らせ、服をはだけた状態で芝生に横たわる姿はまさに異性を誘う色気があふれていた。本人は立ち上がることもできない状態だが。

「はぁ……も、無理ぃ……もうやめてぇ……」
「はいはい。ま、こんだけ愉しめりゃ十分か……」

 その横でフレディは服装を整えて(体液やら汚れやらはグロウルが霧散させた)、ジーンズのポケットからタバコを取り出して吸っている。何かをやりきったような達成感がその表情からは窺える。

「こんなとこ誰かに見られたら大変だなぁ、オイ?」
「あ、あんたがやったんでしょうがぁ……この馬鹿……変態ぃ……」
「クックック、確かに」

 息を整えつつ返す言葉にも艶があるところを見ると、どうやら相当長い時間遊ばれたらしい。豊満なバストとヒップのほかは引き締められたその体だけでも、フレディのターゲットとなりうるのだからこの男、見境がない。

「どうせ、あたしだけじゃないんでしょうけどね……」
「当然。いい女は遠慮なく口説きにいく。それが俺の流儀なんでね」
「カッコつけんなこのクズ……あぁもう!」

 とりあえずグロウルが彼女の分の汚れまで飛ばしたのか、服装を整えさえすればそのままでも怪しまれることはない。見た目は。

「あーもう下着びっしょびしょだし……気持ち悪ぅ」
「着替えて来いよ、ステージまでには」
「うっさい!あー、もうなんでこんな奴入れたのよリーダーは……」

 もう持ち直したのか、散乱している荷物をまとめてどこかへと去っていく彼女。フレディもタバコを吸いきると、拳の中で握りつぶして消滅させた。

「さ
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