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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十六話
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認できない術式を使ったのかは不明だが……」
「そう、ですか……」
「だがもしかすると、無限書庫ならさっき言っていたプロトン式を記した書物が残っているかもしれない。あいにく、我々が生み出したミッドチルダと、今なお使用者が多数いるベルカを除いてノウハウと言ったものが管理局のデータベースにはほとんどないのだ。本局に戻り次第、探させよう」
「感謝いたします」

 彼ら自身、闇の書への恨みが消えたわけではない。しかしそれは、もうもっていきようがないものとなってしまっている。あくまで悪いのは書のプログラムを改変した人間であり、その書に選ばれたことで得た力を悪用してきた人間であり、そのどちらも今となってはこの世に存在していない。闇の書に選ばれた者は誰であろうと例外はなく、最期には書の暴走によってその肉体ごとリンカーコアを食われて死んでいる。そのほかにも多数の人間を喰らい殺してきた。だからこそ、最上級危険物として管理局にマークされている。

「しかし、その連中のことも気にはなるが、一番は……」
「ああ……アレですね」

 何かを察したようにため息をつくリンディだが、ヴォルケンズはあまりその対象については詳しくないため理解できていない。

「ああ……今頃どこをほっつき歩いているのか……」
「アレのことだから、おそらく提督がおられることにもすでに気づいているんでしょう。私の寝床にまで突撃してきて朝っぱらから私に絡んできた癖に、提督がいらっしゃってから姿はおろか影さえ見せない」
「全く、上司を悩ませてくれる部下という意味では奴以上の局員はいないだろうね」
「女の敵、という意味でもですね」
「だが、暗部を任せるのに奴以上に適任な者もいない。一番やっかいな仕事を押し付けてしまっているようなものだから、あまりキツくも言えん」

 事実フレディのいる部署は、管理世界における重犯罪者の内、更正の余地なしと判断された犯罪者であったり、緊急または凶悪と判断された次元犯罪のみを相手にする。被疑者は生死問わず、肉体や武装などを持ち帰れば任務達成と判断される。時空管理局本局のあるミッドチルダのクラナガン市内においてのみ警察権を一部任されてはいるが、他の部署と比べてさまざまな建造物を破壊したり民間人に危害を及ぼしたりすることが多々ある上、任務の特殊性故武装隊員がいることが少ないため、滅多に出動命令は下されない。

「まぁアレがいるから解決した事件も多々ありますけど……」
「それにアレがいるおかげで、管理局の任務で発生した物的被害による不祥事をすべて押し付けることもできる」
「組織としては便利だけど、個人としては面倒極まりないですよね……」
「ああ……とりあえず金と酒を与えておけばいいとはいえ、な」

 随分乱暴な扱いにも見えるが、彼は本当にそれで満足し
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