第百四十話 妻としてその七
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その中でだ、黒田も信長に言って来た。
「殿、それがしは」
「うむ、何じゃ」
「戦の時の陣ですが」
彼が言うのはこれのことだった。
「それがしに考えがあります」
「ほう、ではどうした陣じゃ」
「はい、それは」
黒田はここでその陣のことを述べた、信長はこのことも聞いても確かな笑顔になり述べた。
「よいな、ではじゃ」
「布陣はですな」
「官兵衛の言ったものにする」
まさにそれでだというのだ。
「そうするとしようぞ」
「有り難きお言葉、それでは」
「ではまずは城を攻めてじゃ」
そうしてだった。
「おびき出すとしようぞ」
「はい、さすれば」
「今より」
家臣達も頷く、そしてだった。
信長は家康と共に兵を動かした、その目指す先は。
城だった、長政はそのことを聞いてすぐに周りに告げた。
「ではじゃ」
「はい、すぐにですな」
「あの城に」
「そうせよ、城の者達を見捨ててはおけぬ」
長政は融通が効く、それでこうも言ったのだ。
「ではよいな」
「はい、ではまずは城ですな」
「あそこに向かいましょう」
「そこ強引にでもな」
「我等に入れて戦わせる」
「そうされますか」
「その通りじゃ」
長政は強い声で答えた。
「すぐに姉川に行くと思ったがのう」
「そして真っ先にですな」
「何があろうとも」
「うむ、織田家の大軍と雌雄を決するつもりじゃった」
これが当初の長政考えだった。
「しかしこうなってはじゃ」
「まずはですな」
「城の者達も救い」
「そうじゃ、城からな」
そしてだというのだ。
「姉川に向かうぞ」
「では小競り合いも起きるのでは」
「それじゃな」
「はい、その危険は」
「無論ある」
ない筈がなかった。このことは。
だがそれでもだった、浅井家と織田家の力の差を考えはがその例になるがそれでもだというのである
「どの様な茶でも目が覚める」
「では今は」
「やることは同じじゃ」
それはだというのだ。
「小競り合いは小競り合いですか」
「小さなものですか」
「命のやり取りは姉川で行う」
やはりここだった、戦になる場所は。
「それは決まっておる」
「では」
「そうしましょうぞ」
こうしてだった、浅井の軍勢はまずは城に向かった、それを見て。
朝倉の軍勢もだ、自然とだった。
「浅井殿が行かれておるな」
「そうじゃな、ではじゃ」
「まずはあそこに行こうぞ」
こう話してだった。
朝倉家の者達もその城に向かう、だが彼等は信長がそれを陽動で仕掛けていることには気付かなかった。
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