第四十二話 百物語その十三
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「これは一概に言えないでしょ、だからね」
「こうしてお酒も楽しむ青春があってもいいんですね」
「そういうことですね」
「そう、煙草は吸わないけれどね」
煙草はこの町でも二十歳からだ。
「お酒はあっていいのよ」
「あって、ですか」
「いいんですね」
二人もその話を聞いて納得した、そしてだった。
二人は今度はカマンベールチーズを食べた、愛実も聖花もだ。
二人はカマンベールの独特の味を楽しみながら茉莉也に言った。
「じゃあ今度は」
「うわばみさんとお酒を」
「そうしましょう、ただ二人はどうしてもなのね」
「百合はないですから」
「私達の青春には」
「お姉様が教えてあげるとか?」
わざとこう言った茉莉也だった。
「そういうのはないのね」
「ですからそっちの趣味はないんです」
「興味もないです」
「じゃあこういうのは?」
ここで出すものはというと。
「ボーイズラブとかは」
「そっちも趣味じゃないです」
「興味もないですから」
それもだというのだった。
「あの、男同士っていうのは」
「気持ち悪くないですか?」
二人は眉を顰めさせて茉莉也に尋ねた。
「そういうのって」
「女の子同士よりも」
「何言ってるのよ、我が国ではそっちの方が主流でしょ」
同性愛ではだ、そちらだというのだ。
「男同士の方がね」
「ああ、織田信長さんですね」
「あと武田信玄さんも」
二人は日本の同性愛と聞いてすぐにこの二人を出した。
「森蘭丸ですよね」
「高坂弾正でしたよね」
「そう、他には上杉謙信も伊達政宗もね」
彼等もそうだったというのだ。
「あの人達もそうだったのよ」
「戦国時代ってそうだったんですね」
「同性愛が普通だったんですね」
「戦国時代だけじゃなくてね」
他の世界もまただというのだ。
「平安時代も室町時代も江戸時代もね」
「つまり何時でもだったんですね」
「日本では男同士が有り触れていたんですね」
「歌舞伎だってそうじゃない」
この日本の誇る伝統文化でもだった、尚間違っても他の国が起源ではない。
「そういう場面結構あるわよ」
「久米寺弾正ですか?」
聖花はすぐにこの演目を話に出した。
「あれとかですよね」
「毛抜きね」
茉莉也は演目の題名で応えた、尚これは通称の題名であり本来の題名はかなり複雑で独特のものである。
「あれで主人公が美少年に言い寄ってたでしょ」
「そうでしたね」
「美人にも言い寄っていたけれどね」
つまり両刀使いだったのだ、手当たり次第と言ってもいいだろうか。
「他にも結構あるから」
「同性愛の場面はですか」
「美少年もよく出るけれど」
「それもですか」
「そう、それ狙ってたから」
同性愛の人気を、というのだ
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