第1話:ハイジャック事件
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たぜ。 ホントにスゲエよ、この銃」
「だな。 管理局に一発食らわせてやれるなんてスッキリするぜ」
「おう。これでヤツラもオレらの要求を聞くしかねえよな?」
ダボっとした服装で長い銃身の狙撃銃を抱く3人は、タバコを吸いながら
高笑いをしていた。
その中でも一際ガタイのいい男が後を振り返りながら、
小柄で痩せた男に声をかけると、彼は乾いた笑い声を発する。
「ははっ、まさか。 本番はこれからだよ」
男の言葉に3人はお互いに顔を見合わせるが、しばらくして
男の方に顔を向けると、揃って大きな笑い声を上げる。
「心配ねえよ、俺たちにかかりゃどんなやつらだって一発だぜ」
3人の中ではリーダー格なのか、ガタイのいい男が威勢のいい声でそう言うと、
他の2人は歓声をあげる。
「威勢がいいのは結構ですが、今度来る連中は警備部隊とは比べ物になりません。
彼らはこのような事案を専門にしている部隊です。
油断は大敵だと思いますがね」
男はそう言って注意を促すが、3人の男たちの口からは威勢のいい言葉が
次々に飛び出すばかりだった。
「頼もしい限りですね。 ま、その調子でお願いしますよ。
あなたがたのお仲間の命もかかっていることですし」
男は3人に背を向けて階段の方へと歩みを向ける。
「おい、どこ行くんだ?」
背中から大きな声で呼び止められると、男は小さく舌打ちする。
その表情からは苛立ちが見て取れた。
が、男は笑顔を作ると3人の男たちの方へと振り返った。
「用を足しに行くんです。 すぐ戻りますよ」
「おう、判った! 早くな!」
背後から追ってくる言葉に片手をあげて応える男の顔は、
苦虫を噛み潰したように歪んでいた。
(バカな連中だ・・・)
階段を降りながら、男は自分の耳にイヤホンを突っ込んだ。
同時に雑音混じりの通信音声が男の耳に飛び込んでくる。
『シャドウよりポート・コマンド。 5分後に降下を開始する。
降下ポイントはA29』
『ポート・コマンド、了解』
ゲオルグとウォルフの通信を介した会話を聞いて、男はニヤリと笑う。
(いよいよか。 さて、お手並みを拝見させてもらいますよ、シュミット2佐)
男は軽い足取りで階段を下りて行き、1階のフロアにたどり着いた。
そこで一瞬立ち止まり、階段の上に目をやる。
「まあ、この程度であなたがたをどうにかできるとは思ってませんがね。
彼らにはせいぜい私のデータ収集のために役立ってもらいましょうか・・・」
男は呟くようにそう言うと、足早に倉庫を後にした。
次元港の建物では、警備司令を務めるウォルフ2佐が窓越しに
乗っ取られた次元航行船を眺めてい
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