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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第1話:ハイジャック事件
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あ、やばい・・・爆発するか・・・?)

チンクの怒りに火がついたことを感じたゲオルグは、その爆発に備えて身構えた。

『えっ・・・と、本題には移らないので?』

チンクがその口を開こうとした瞬間、もうひとつのディスプレイの中にいる
男性士官が言葉を挟んできた。

「そうだった。 じゃあ、早速本題に入るな」

男性士官・・・クリーグ3尉の言葉を合図に、ゲオルグはその顔を真剣な表情へと
戻し話し始める。

(おぉ、ナイスタイミング!)

・・・という内心はおくびにも出さずに。

「2人とも、次元航行船の乗っ取り事件の報道は見てるよな?」

ゲオルグの問いかけに対して、2人は黙って頷く。
もっとも、怒りを爆発させ損ねたチンクは不承不承の体ではあったが。

「なら結構。 で、念のためなんだが命令があり次第出動できるように準備を頼む」

ゲオルグがそう言うと、2人とも怪訝な顔をする。

『提督からの指令はまだなんですよね?』

『クリーグの言うとおりだ。 時期尚早ではないのか?』

「命令が出てからじゃ遅い。 命令が出次第即応できる態勢を整えるのも
 俺達、特殊陸戦部隊の仕事のうちだ」

ゲオルグの言葉にクリーグは納得した顔で、チンクはやはり不満げな顔で頷いた。

「では、イーグル・フォックス両分隊は即時出動準備を」

『了解』

2人がそう言って手を上げて敬礼すると、ゲオルグの前のディスプレイは消えた。
ゲオルグが続いて手元のパネルに手を伸ばすと、再び新たなディスプレイがその前に
現れる。
今度は30歳くらいのひげを生やした男性の士官が現れた。

『何か御用でしょうか、部隊長』

「ティルトローターの出動準備を頼む」

『了解です。 ・・・次元港ですか?』

「そうだ。 ま、念のためだけどな」

『わかりました、準備を進めておきます』

男性士官・・・アバーライン3佐が小さく頷くとディスプレイはゲオルグの前から
その姿を消した。

(ふぅ・・・3佐は話が早くて助かるな・・・)

ゲオルグは大きく息を吐くと、再び次元港からの映像に目を向けた。





しばらくして、甲高い電子音とともに1つの通信ウィンドウが
ゲオルグの前に現れた。
その中にはゲオルグにとって友人といえる女性が座っていた。

『おはようゲオルグくん。ひさしぶりやね』

そう言って手を振る画面の中の女性は、機動6課の元部隊長であり、
現在は本局捜査部の上級捜査司令を務める才女、八神はやてその人である。
だが、この有名人をもってしてもゲオルグの態度はゆるぎない。

「はやてか。何の用だよ?」

冷たい口調で言うゲオルグに対して、はやてはにこやかな表情を
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