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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第1話:ハイジャック事件
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。ウチの連中の所在を重ねてくれ」

《了解です》

レーベンの返答から間をおかず、乗っ取り犯たちのものとは違う色で、
20個のマーカーが表示される。

「あと少しかな・・・」

再び通信回線からの音声がゲオルグの耳に届く。

『イーグル01よりイーグル各員へ。 客室前部を制圧する。
 センサー情報に注意して行動開始』

チンクの通信が終わると同時に操舵室の後方にあった、味方マーカーが一斉に
客室の中へと入っていく。

『フォックス01よりフォックス分隊各員。 フォックス分隊は客室最後部で待機。
 逃げてくる乗っ取り犯を待ち伏せする』

「よしよし。 同時に突入したら同士撃ちになりかねないからな。上出来だ」

ゲオルグは再び満足げに頷くと、咥えていたタバコをペッと飛ばす。
立ち上がったゲオルグは遠くに見える次元航行船をじっと見つめた。
視界の端にあるウィンドウの中では、乗っ取り犯のマーカーが客室前方から迫る
味方のマーカーに追い立てられるように客室後方へと移動していく。
やがて、客室の最後部に迫ったところで、その動きが止まった。
直後、通信回線を通じてクリーグの声が聞こえてくる。

『フォックス01よりシャドウ01。 すべての乗っ取り犯を確保。
 乗客の確認を開始します』

「シャドウ01、了解」

ゲオルグは通信に答えると、ふうっと息を吐いた。
しばらくして、再び通信が入る。

『イーグル01よりシャドウ01。 乗客は全員無事』

「シャドウ01了解。 ご苦労だった」

チンクへと返答すると、ゲオルグはレーベンに新たな通信ウィンドウを開かせる。
そこにはクロノの姿があった。

「俺です。 次元航行船の制圧を完了。 乗客は全員無事です」

『了解だ。 乗っ取り犯はそっちで引き取っておいてくれ』

「ウチでですか? でも、ウチには捜査機能はありませんよ」

『わかっているよ。 だが、捜査部も今は手いっぱいなんだ。
 初期の取り調べは君らに任せる。 明日には執務官を1人送るから』

「了解しました」

『くれぐれも、情報部仕込みの取り調べはやめてくれよ。 以上だ』

クロノは苦笑しながら最後にそう言って通信を切った。
ゲオルグも同じように苦笑を浮かべていた。

(そりゃフリ・・・じゃないわな、当然)

ゲオルグは真剣な表情に戻ると通信を送る。

「イーグル、フォックス両分隊はティルトロータで帰還しろ。
 乗っ取り犯も連れて帰ってくれ」

『・・・捜査部に引き渡さなくていいので?』

「ハラオウン少将からの指示だ。 構わない」

『了解です。 部隊長はどうされますか?』

「俺はココの警備司令と少し話してから戻る」


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