第1話:ハイジャック事件
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間が乗っ取っている次元航行艦の真上にたどりつくと、
上空でホバリングしながら機体後部の扉を開く。
大きくあいた扉から何本かのロープが投げられ、中から隊員が姿を現す。
「おら! あいつらが降下すんぞ。 しっかり狙えよ」
リーダー格の男が叫ぶようにそう言うと、他の男たちは慌てて屋上の端に伏せ
ロープをつたって降下し始めた隊員たちに狙いを定めた。
彼らが息を止めて引き金を引き絞る。
バシュっ、というサイレンサーで音を消された独特の発射音とともに
撃ちだされた弾丸は正確にロープで降下する隊員の身体を撃ちぬく・・・
はずだった。
だが、スコープの中の隊員は何事もなかったかのように降下し、地面に足を付ける。
その向こう側で彼らの撃った弾が硬い地面を砕いた破片が飛び散った。
まるで、隊員の身体をすり抜けたかのように。
慌てて次を撃とうと準備する彼らの背後で、スタっという音がする。
「おーおー結構いい狙いしてるなぁ。 ありゃ命中コースだ」
聞きなれない声に驚き、3人は後を振り返った。
そこには、真っ黒な衣装を身にまとった金髪の男が立っていた。
ニヤリと笑う男の手には湾曲した刀剣が握られている。
「だ、誰だてめえ!」
突然現れた男から一番近くにいたリーダー格の男は後ずさりながら叫ぶ。
「時空管理局本局特殊陸戦部隊 部隊長のシュミット2等陸佐だ。
お前らを殺人未遂・質量兵器管理法違反・民間次元航行船運航管理法違反および
公務執行妨害の容疑で拘束する」
ゲオルグが真剣な表情でそう言うと、リーダー格の男は懐から
一丁の拳銃を取り出した。
男は素早くゲオルグに狙いをつけ、ためらいなく引き金を引いた。
「・・・なめてんじゃねえぞ、コラ」
不機嫌そうに眉を吊り上げたゲオルグがレーベンを振った。
直後、からんという音とともに男が放った弾丸がゲオルグの足元に落ちた。
真っ二つに切り裂かれて。
「なっ・・・!」
男は絶句し、次いでじりじりと足を引きずって下がる。
その顔には怒りと焦燥とわずかな恐怖が混じっていた。
「面倒臭えな、お前らちょっと寝てろ」
ゲオルグは低い声でそう言うと、わずかに腰を落とす。
次の瞬間、ゲオルグの姿は3人の男たちの後ろ側にあった。
ドサっという音とともに、狙撃銃を持った2人は倉庫の屋上に倒れ伏した。
その音につられるようにリーダー格の男が振り返ると、
すでにゲオルグが目の前に居た。
「遅えよ」
ゲオルグは右手で銃の形を作ると、男の額に突き付けた。
「バン!」
ゲオルグの言葉と同時に男は1mほど飛ばされ、他の2人と同じく
屋上に倒れ伏し、意識を失った。
「ふぅ・・・任務完了っと」
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