暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
3弾 拳銃、刀、徒手格闘
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とはいえマジメに受けておいてよかった。そうじゃなかったら、今ごろ鉛玉を何発も()らって床をのたうち回っていただろう。

 俺たちはそのまま、取っ組み合うような姿勢になった。

「――――んっ――――やぁっ!」

 くるっ。

 体をひねったかと思うと、アリアは柔道でいう跳ね腰みたいな技で、体格差をものともせず俺を投げ飛ばした。

「うっ――――!?」

 コイツ、徒手格闘もできるのか? しかもやたら(うま)い。

 (かろ)うじて受け身を取ると、俺は――――その勢いを殺さず体育倉庫から転がり出た。

「逃げられないわよ! あたしは逃走する犯人を逃がしたことは! 1度も! ない!――――あ、あれ?あれれ、あれ?」

 叫びながら、アリアはわしゃわしゃとスカートの内側を両手でまさぐった。

 弾切れになった拳銃に再装填(リロード)する、弾倉(マガジン)を探しているのだろう。

「どんまい。諦めろ」

 俺はさっき投げられた際にスカートからスリ取っておいた予備弾倉を(かか)げ――――あさっての方向へ投げてみせる。

「――――あ!」

 遠くの(しげ)みに落ちていくそれを目で追ってから、アリアは無用の長物になってしまった拳銃(けんじゅう)を上下にブン! ブン! と振り回した。

 やったな! やったな! という怒りの動作らしい。

「もう! 許さない! ひざまずいて泣いて謝っても、許さない!」

 ひざまずいて泣いて謝ったら許してくれたのか。そういうことは先に言ってくれ。

 アリアは拳銃をホルスターにぶち込むとセーラー服の背中に手を突っ込み――――

 じゃきじゃき!

 そこに隠していた刀を、二刀流で抜いた。

 銃、徒手格闘ときて、今度は刀かよッ――――!

 唖然(あぜん)とする俺に――――だんッ! アリアは人間離れした瞬発力で飛びかかってきた。

 そしてその寸詰まりの日本刀を、俺の両肩めがけて流星みたいに突き出してくる。

 ザザッ!

 俺はなんとか、背後に転がってそれを()けた。

強猥男(きょうわいおとこ)は神妙に――――っわぉきゃっ!?」

 勢いよく俺の方に踏み出したアリアは、新種のヤマネコみたいな声を上げ――――

 見えない相手にバックドロップでも()らったかのように、真後ろにブっ倒れた。

 その足元には、アリアの弾倉から抜いておいた銃弾がいくつも転がっている。

 さっき、投げた弾倉に向こうが目を奪われた(すき)にバラ()いておいたのだ。

「こ、このッ……みゃおきゃっ!」

 立ち上がろうとして弾を踏み、また両足が真上を向くぐらい勢いよくコケている。マンガやアニメみたいだな。

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