裁きの女王
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がゆっくり顔を上げると、そこにいたのは2人の女性。
いや、1人は女性というには早い・・・でも少女というには大人びた雰囲気だ。
1人は鎧を纏い「HEART KREUZ」と書かれた剣を持つ。
1人は大きめの白い帽子を被り、水で造られた剣を持つ。
その2人を見て、ルーシィは喜びに似た声を上げた。
「エルザ!ティア!」
アンジェリカがズシィンと音を立てて落ちる。
落ちたのを耳で確認した2人は、同時にルーシィを睨んだ。
「・・・さん」
思わず普段はしない「さん付け」をするルーシィ。
(そうだ!あたし達ギルドの掟破って、勝手にS級クエストへ来ちゃったんだ!)
先ほどの歓声はどこへやら。
「私達がなぜここにいるか、解っているな」
「あ・・・いや・・・その・・・連れ戻しに・・・ですよね?」
思わず正座するルーシィ。
そこにバットタイミングでハッピーがやってきた。
「良かったー!ルーシィ、無事だったぁ?」
だが、その飛行が止まる。
ハッピーの目に映っているモノが確かなら、そこには正座して震えるルーシィの他に、自分達が1番怖れていた存在がいる。それも2人も。
それを見たハッピーは慌てて逃げる、が。
「ティア」
「解っているわ」
短い言葉を交わし、ティアは一瞬にしてハッピーを捕まえた。
「ナツはどこだ」
「ちょっと聞いて・・・!」
ルーシィは説得を試みる。
「勝手に来ちゃったのは謝るけど・・・今、この島は大変な事になってるの!」
その言葉に2人は真っ直ぐルーシィを見つめる。
「氷漬けの悪魔を復活させようとしてる奴等がいたり、村の人達はそいつ等の魔力で苦しめられてたり、とにかく大変なの!あたし達・・・何とかこの島を救ってあげたいんだ」
これが通常の依頼だったなら、エルザもティアもそれに賛成しただろう。
だが、この場合、2人の目的は島がどうこう云々の話ではないのだ。
「・・・島が大変なのは解ったわ」
「!じゃあっ!」
ティアの言葉にルーシィの顔が輝く。
だが、ティアの言葉はここで終わりではない。
「でもアンタ、ギルドの掟も守れない分限で何を言っているの?」
「・・・え?」
「私達の目的は掟を破った愚者を連れ戻す事よ。それ以外に興味なんてないわ」
「私も同意見だ。興味が無いな」
ルーシィが目を見開く。
「じゃ・・・じゃあ、せめて最後まで仕事を・・・!」
全部言い終える前に、エルザがルーシィの喉辺りに剣を突き付ける。
ティアも魔法鞭を手にし、棘のついた鉄球付き+刃が鞭中に生えた鞭を構えていた。
「仕事?違うぞ、ルーシィ」
「アンタ達はマスターを裏切ったの」
そう言う2人の目は氷
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