裁きの女王
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「あのグレイとかいう小僧をなぜ殺さなかったので?」
「別に意味はない。俺が血を好まんのは知っているだろ」
それを聞き、仮面の男はくるっと背を向ける。
「いえいえ、そうおっしゃいますが、村人は皆殺しになさるお人だ。どうも弟弟子には情があるご様子ですな」
それに対し、リオンの声はいたって冷静だ。
感情の見えない冷たい声。
「くだらん・・・あれだけ打ち負かせば歯向かう気もおきんさ。それでも邪魔をするようなら、その時は躊躇なく殺してやろう」
それを聞いた仮面の男は、顔だけをリオンの方に向けた。
「本当に?」
「さすが妖精の尻尾の魔導士といったとこかしら」
「勝負はこれからよ」
「そうだそうだー!」
「でもお忘れにならないように。あなたの星霊は私には通用しませんのよ」
それを聞いたルーシィは、何やらルーにひそひそと囁く。
そして顔を見合わせ頷き、ルーシィは1本の鍵を構えた。
「どうかしら?まだまだ強い星霊はいっぱいいるのよ!」
そして門を開く。
「開け!小犬座の扉・・・プルー!」
「プーン」
呼びだしたのはプルーだった。
「人形撃、操り人形!」
そしてシェリーは先ほどのタウロス同様、プルーを操る。
「ププ、プーン!」
プルーの目がキュピーンと光り、腕を回しながらルーシィとルーに向かって駆けて行った。
「プーン!ププーン!ププーン!」
そしてルーシィとルーの足を交互にポカポカと殴る。
・・・それだけだ。
「!」
「引っかかったわね!ルー!」
「うん!大空大鷲!」
「くっ!」
飛んで来た風の鷲をギリギリで避ける。
「しまった!ザコ星霊か!操り解除!」
プルーが正気に戻る。
そう。プルーは黄道十二門のような攻撃を得意とする星霊ではない。
銀色の鍵の星霊でも戦える場合もあるが、プルーに至っては愛玩星霊。
つまりはペット的な存在なのだ。
どれだけ操って攻撃させても、大した攻撃にはならない、という事である。
「人形撃、岩人形!」
シェリーの後ろの岩がゴゴゴゴゴ・・・と音を立てて形を成していく。
「イタチごっこにしかならないわよ。あたしの星霊がそれを壊して、操られたら閉じるだけ」
「・・・でもさ、ルーシィ」
「壊す?この岩を?」
そう。
その岩人形はかなりの大きさで、普通の岩を壊すのだって難しいというのに、こんなに大きくなってしまってはますます難しくなる。
「岩ー!?」
「ルーシィ!岩を壊せる星霊は!?」
「い、いないわよっ!ルーの魔法で何とかできないの!?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ