暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
裁きの女王
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いた。

「ル、ルーシィさん・・・か、身体が・・・言う事を聞きません・・・」
「くっ・・・うっ・・・」
「人形撃か!」
「そう・・・私の魔法『人形撃』は人間以外のものを操る魔法。それは星霊だって同じ・・・人間ではないのですもの」
「そ・・・そんな・・・」

首を絞められながら呟くルーシィ。

「タウロス、服を引ん剥いてさしあげて」
「よ、喜んで!」
「アンタ、本当に操られてるの!?」
「僕が牛を倒せばいいんだけど・・・牛だって仲間だし・・・」

ビリビリとルーシィの服を引ん剥き始めるタウロスにルーシィがツッコみ、ルーが頭を抱える。

「MOうし訳ありません・・・ルーシィさん・・・自分の意志では・・・体が、どうにも・・・」

そう途切れ途切れに言う間にもタウロスはルーシィの服を引ん剥く。

「閉じろ!金牛宮の扉!」

ルーシィが閉門を試みたが、タウロスは消えない。
その力は徐々に増していく。

「星霊魔法の(ゲート)は互いの同意の上で開閉するのではなくて?」
「閉じて!タウロス!」
「一方的に閉じるなんて出来ませんわよ」
「タウロス!」
「MOォォォォ!」
「あうっ」
「ルーシィっ!」

ルーが叫び、辛そうな表情で左手に緑色の光を灯す。
ひゅおおおお・・・と音を立てて、風が左手に集まっていく。

「お願いっ!閉じて!」
「所詮妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士といっても、こんな程度ですのね」

そのシェリーの一言がルーシィに力を入れた。
今日で1番声を張り上げ、叫ぶ。

「閉じろ!金牛宮の扉!」

その声に反応し、タウロスの姿が揺れる。
次の瞬間、タウロスは煙のように消え去った。

「なっ!?」
「強制閉門・・・」
「で・・・出来た。強制閉門が出来たっ!」

強制閉門。
その名の通り、強制的に(ゲート)を閉じる事。
所有者(オーナー)が望めば、星霊が望んでいなくても閉門できる。
今回のような場合において、かなり役立つものだ。

「ま、まさかそんな事が出来る魔導士がいたなんて・・・計算ミス・・・ですわ」
「あたし・・・成長してる・・・」

ルーシィは自分の手を見る。
そして微笑んだ。
右手の甲に刻まれているのは大事な仲間の証。それがルーシィを強くする。

「そうよ!あたしだって妖精の尻尾(フェアリーテイル)の一員なんだからね!」








所変わって、ここはデリオラの封印場所である月の遺跡。
氷漬けの悪魔デリオラの前に、『零帝』ことグレイの兄弟子であるリオンがいた。

「零帝様」

デリオラを見つめるリオンに声が掛けられる。
声を掛けたのは先ほどまでのリオンの様に仮面をつけた男だった。

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