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流星のロックマン STARDUST BEGINS
星屑の覚醒
14 地の底での出会い
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して才葉シティで暴れまわったらしい。
だから今は電脳獣など存在しない。
それは理解していた。
だが覗きこんでみると足が竦む。

「っ....」

今にも電脳獣が飛び出してきそうな恐怖に襲われた。
底の見えない、まさに地獄に通じる
だがその時、ふと耳に声が聞こえてきた。

「!?」

他のナビには聞こえていないようだが彩斗には確実に聞こえた。

助けて....

救いを求める声だ。
おまけに頭にイメージが浮かぶ。
甘音色の髪に町の髪飾りが特徴的な少女の姿。
前に頭に染み付いて離れないそれが再び呼び起こされた。

「....気のせい...だよね」

彩斗は踵を返し、再び歩き出す。
どうも最近はこの少女のイメージが頭から抜けない。
事あるごとに彼女の存在が浮かぶが、姿がハッキリと出てこない。
今のように頭に浮かぶのは稀だった。
原因を思い出そうとしながら歩き続けると目の前が歪み始めた。

「.....」

彩斗は自分の目を擦った。
眠気はない。
考え事のし過ぎて頭の回転が鈍っているのかも思った。
だが違う。
確実にセントラルエリアが歪んでいた。
他のナビたちの驚きの声を上げていたのだ。

「....何だ?」

少女からこの異常事態に思考を切り替える。
しかしそれを待たずして彩斗の耳に声が聞こえた。

『サイトさん!!早くプラグアウトしてください!!』

「!?メリー...」

メリーは部屋の椅子でグッタリとしている彩斗の耳に話しかけているのだ。
恐らくは大声で鼓膜が破れるほどの大声だ。
彩斗は頭を押さえる。

『DOS攻撃でセントラルエリアのサーバーがダウン寸前です!!このままじゃシス..テ...ダ.......ます!!!』

「!?」

確かにDOS攻撃に見られる典型的な状態だ。
大量のアクセスの影響でサーバーがダウン寸前。
それもウイルスなどが感染したボットマシンのネットワークから攻撃でもされていたらダウンどころかデータが破損する。
所詮この空間はサーバーのデータで構成された仮想空間だ。
データが改変されればエリアは別世界のように改変され、破壊されれば跡形もなく崩壊する。
そんなガラス細工よりも脆い世界だ。
彩斗は事の重大さに気づく。
そしてプラグアウトしようとする。
だが既に遅かった。

「!?な....はっ...」

既にプラグアウトしようとするナビが殺到し、回線の速度が大幅に低下、それどころかタスクの処理待ちで彩斗はプラグアウトすることが出来なかった。
それと同時に足元がグラグラと地震のように揺れ始める。
エリアが崩壊を始めた。
電脳獣の石碑も崩れ落ち、地面に亀裂が入ってくる。

「あぁ...あ....」


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