第十六章
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告げたのだった。
「来ましたよ」
「下からか」
「そうです。どうされますか？」
「かわす」
返答は一言だった。
「ここはな」
「守らないんですか」
「これも考えのうちだ」
彼は言うのだった。
「だからだ。任せてくれ」
「ですか」
役の今の言葉は信じた。既に先程塔の上から魔物の姿を見出していたからだ。昼の疑念はこれで奇麗に消えてしまっていた。
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