第百六話
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、唐に送る遣唐使船は五島列島から東シナ海を横断する南路と北九州より朝鮮半島西海沿いを経て、遼東半島南海岸から山東半島の登州へ至る北路のルートがあった。
今回は北路で倭国へ向かう事にした。南路だと遭難してそのまま死ぬかもしれんしな。北路だと比較的安全な航路だしね。
「そうか、それなら良い」
「監視済まないな」
「フ、心配いらん」
俺は思春に晩飯の糒と干し肉を渡して船内に入ったのであった。
翌朝、波も比較的穏やかだった。
「曹操、北部を押さえていたお前なら知っていると思うが帯方郡は判るな?」
「えぇ、知っているわ」
「俺達は山東半島まで北上してそこから一気に東進して帯方郡付近の海岸まで向かい、そこから再び陸地を見ながら南下していく。最終的にこの地から倭国へ行く」
俺は山東半島から北朝鮮の黄海南道を指差して南下していき、韓国の釜山、そして対馬の場所を叩いた。(昔の地名は分からなかったので現代で表してます)
なお、この地図は俺が描いた。ちょっと汚いがな。
「当分は船旅になるわね」
「まぁそれは仕方ない。船旅はそういうもんだよ」
俺は朝食の干し肉を食べながらそう言った。その後、航海は順調に進み気付けば釜山に到着して現地住民から水や食料の提供を受けた。
「ようし、出港ォッ!!」
船団は釜山から対馬へ目指し、航海を続けた。まぁ釜山から対馬の距離は五十キロしかないから直ぐに到着するんだよな。
そして対馬に到着して対馬から壱岐島を目指した。
「壱岐島に到着すれば後は陸地沿いを航行して小瀬戸から大瀬戸へ向かいます」
「そうか」
雪風からの言葉に俺は頷いた。
「後は雪風に任せる。今の倭国を知っているのは雪風達だからな」
「はい、我々はこのまま航行をして私の国である邪馬台国へ行きます」
「……邪馬台国か」
邪馬台国は北九州か近畿かどっちなんだろうな……。
そして船団は瀬戸内海を航行してある場所に到着した……って此処は……。
「……大阪? 違う、海になっているのかッ!?」
「海ではありません。湾ですよ」
「湾……とすると幻の河内湾かッ!?」
そう言えば昔の大阪は海だったからな。今は面影は全く無いけどな。江戸時代の新田開発で河内湖はほぼ消滅したらしいからな。
待てよ、てことは邪馬台国は……。
「……近畿か。しかも奈良か」
「何か言いました長門さん?」
「いや、何でもないよ雪風」
俺は雪風にそう言った。それは兎も角、俺達は漸く倭国へと辿り着く事が出来た。
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