反董卓の章
第1話 「お、おのれぇ! 劉虞! 許さん!」
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ぶりながら顔を赤らめている。
実力があるのに引っ込み思案だから、朱里ちゃんほど目立たないけど……雛里ちゃんも梁州の宰相。
その決定に、誰も異論はなかった。
「さて……現在の警官・警邏隊を抜いた総軍の数は、二万五千。もし黄巾のような大乱が起きた場合は、この数での出兵となる。各自、調練は欠かさず行うように」
「……主。それはまるで、黄巾のような大乱がまた起こる……そういっておられるように聞こえるのですが」
星ちゃんの訝しむ声。
うん……私も同感。
見れば愛紗ちゃんも頷いている。
あんなことが……また起こるの?
「梁州は平和だが……北が不穏な状況になってきている。あと中央もな」
「北って……幽州とか?」
私の言葉に、ご主人様は神妙に頷いた。
「幽州の州牧になった劉虞……白蓮の上司となった人物だが。どうやら民の虐殺を始めているらしい」
「………………!?」
思わず息を飲み込む。
それは愛紗ちゃんや鈴々ちゃん、そして星ちゃんも同様だった。
すでに知らされていたであろう朱里ちゃんたちの顔にも苦渋の表情が浮かぶ。
「商人の情報、そして劉表のじいさんからの情報だ。確認のため、一月ほど前から雛里も細作を派遣している。その第一報は……紛れも無い事実だった」
「そ、そんな……」
あの白蓮ちゃんが、そんなことを許したと……?
「星。君が白蓮の所から桃香の元に来たのも……劉虞が原因か?」
「…………………………はい」
星ちゃんが渋面になって俯く。
あの星ちゃんが、こんな表情するなんて……
「……すまないが、詳しく聞かせてくれ」
「……は。黄巾の乱の恩賞として、伯珪殿が中郎将の叙任を受けてすぐのことでした。幽州の州牧となられた劉虞が平原を治めることになりました。伯珪殿が治める北平とは隣でもありすぐ傍です。その挨拶に行ったのですが……」
星ちゃんが渋面の顔をさらに歪ませる。
「……行ったら?」
「私は……お会いできませなんだ」
………………え?
「……面会を、拒絶された?」
「……はい。衛兵が言いました。宗正である劉虞様に、売女を近寄らせるな…………そう私の前で、伯珪殿に告げられたのです」
「「「「「「「なっ!?」」」」」」」
その場にいた全員が、驚愕する。
ご主人様ですら……
「お、おのれぇ! 劉虞! 許さん!」
ガンッ!
王座の間にある円卓に、思い切り拳を叩きつける愛紗ちゃん。
固い樫の木で作られた円卓は、愛紗ちゃんの拳を傷つける。
その手の甲から皮が破れて……血が滲んでいた。
「星が……だと!? よくも我等の仲間を侮辱したな!」
「愛紗……」
星ちゃんが顔を
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