反董卓の章
第1話 「お、おのれぇ! 劉虞! 許さん!」
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景升様の親書にも『そんなにひどいことはしない。約束を守らぬ子供には、おしりペンペンじゃ』と……」
「子供か、俺は!? てか受けるなよ!?」
「そ、それを守れば、一切の質も代価もいらない、平等の同盟を約束すると……」
ちょ……このじじい!
お前、なに言ってくれてんの!?
「カッカッカ! お主に一泡吹かせられるなら安いもんじゃ! うむ、この一年の鬱憤は全て吹き飛んだわい! ああ、気持ちいい!」
こ、この、く・そ・じ・じ・ぃ……
「……まったく。お主のような才子が、儂の息子であればの……」
「………………は?」
「カッカッカ! 冗談じゃ! 前にお主の下手な芝居につきあったのじゃ! 貸しがあったじゃろう? これで貸し借りなしじゃ! よいな!」
じじぃ…………………………………………………………ふう。
割に合わねぇけど………………しょうがねぇなぁ。
俺が苦笑して、その俺の顔を見た劉表が何処かホッとしたような表情になった時。
荊州の文官たちが、朱里と共に入室してきたのだった。
―― 劉備 side ――
「――ということが先日ありまして。その後は滞りなく同盟の約定も決まりました。なお、西の劉焉様との同盟も劉表様経由で決まりましたし、今度成都へ桃香様と劉景升様がご一緒にいかれる日取りも決まりました。これで、三州同盟が確定します」
「そっかぁ……同盟自体はいいことだし、それについては、異論はないんだけど。でも、ご主人様のことは、ねぇ……」
ここは王座の間。
私を含めた漢中の重鎮たちが、円卓の席に座っている。
私は、ちらっと横目で隣を見る。
そこにいるのは……
「劉景升……いや、劉表めっ! ご主人様への無礼、許すまじ……」
「あ、愛紗ちゃん、愛紗ちゃん! りゅ、劉表さんだって、本気じゃなかったんだし……ね?」
怒りの氣が立ち上っているのが見えます。
うん、怖い。
ご主人様、どうにかして。
「あーいーしゃー……俺が悪いんだからいいの。不可抗力とはいえ、ほぼ一年留守にしたのは事実なんだ。俺が折檻されることでなにも後ろ盾がなかった桃香に、劉表と劉焉という強大な力がなんの対価もなしに築くんだ。なんにも問題はないよ」
そう言って、頭をなでなで………………あー、いいなぁ。
周りを見れば、皆がそんな顔をしている。
一人愛紗ちゃんは………………………………怒りの氣もなくなって、真っ赤になって顔がにやけているし。
「まったく……頭を撫でられれば怒りが収まるとは。愛紗は猫だな」
「ね、猫!? 星、なにをいうか!?」
「そうであろう? 先ほどまでシャーっと牙を出していても、飼い主が頭を撫でれば牙も
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