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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第1話  「お、おのれぇ! 劉虞! 許さん!」
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  ―― 袁紹 side ――




「ぬぁんですって!? もう一度言ってご覧なさい!」
「……はっ。十常侍であらせられる張譲様からの(みことのり)です。袁紹本初、並びに袁術公路。両名の霊帝陛下の葬儀への参列を認めず。自領にて沙汰を待て」
「詔!? しかも沙汰、沙汰ですって!? この私が、一体何をしたというのですか!?」
「お二方は、度重なる十常侍の方々からの上洛要請にも応じず、また貴方にいたっては西園八校尉であるにも拘らず、洛陽への忠勤を疎かにし、自領における私財の蓄えに奔るその所業。亡き霊帝陛下の心労の一端であったことは間違いなし。つまりは、陛下ご崩御の原因でもあるとのこと」
「なっ……何を仰るのですか! 上洛要請は、我が上司であられる何進大将軍ならともかく、十常侍にそんな権限はありませんわ! その上、洛陽への献金・献上品については、今まで袁家がどれだけお納めになったか知らぬと申しますの!?」
「この上は、身を正し、喪が明けるまで謹慎せよ。しかる後に処分が言い渡されるであろう……詔は以上になります」
「はっ、話になりませんわっ! 何進大将軍の片腕と言われたこの袁本初を、ここまで愚弄するとは……猪々子さん! この四角メガネの優男を捕らえなさい!」
「ええっ!? ひ、姫ぇ……相手は仮にも洛陽からの使者ですよ! そんなことしたら……」
「かまいませんわ! 四代にわたって三公を輩出した、名門汝南袁氏をここまで愚弄するとは……覚悟ができているのでしょうね!?」
「私が決めたことではありません。全ては張譲様からの詔……私が決まった日時までに戻らない場合は、反逆者として袁家討伐の勅命が出ることになっております。それでもよろしければどうぞ」
「なっ……!」
「や、やばいよぉ……と、斗詩、お嬢を止めてくれ!」
「う、うん……れ、麗羽さまぁ、まずいですよぉ。お願いします。こらえて、こらえてくださいぃ〜」
「く、くぅう………………」
「では、そういうことですので……確かにお伝えしましたよ。クックック……」
「………………クッ! 張譲……詔、詔ですって!? 自分が霊帝陛下に代わり、皇帝になったつもりだとおっしゃるの!? 許しませんわっ!」




  ―― 盾二 side 漢中 ――




 俺が梁州に戻って、すでに百日が過ぎた頃――

「こぉの恩知らずがぁっ!」

 ボカッ!

「あっつぅ〜〜〜〜〜〜〜……」
「「はあわわわわ……」」

 隣にいる朱里と雛里が、青い顔で震える。

 俺は殴られた頭を抱えながら、上目遣いで顔を上げる。
 梁州における軍師筆頭、総参謀長、総指揮官とも呼ばれる俺に、手を上げた相手。

 そいつは、腕を組みながら鼻を鳴らしやがった。


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