ルームメイトは緑髪の眼鏡っ娘 その一
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なく軍服を思わせる太ももの部分がだぼっとし下が窄まったズボンをはいていることと、金色の瞳を隠すために左目に眼帯をつけていることだ。
眼帯は医療用じゃないマジもんの黒眼帯だ。
「……挨拶しろ!、ラウラ」
織斑先生に促されてようやく話しだす。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
俺が言うのもなんだが、なんとも簡潔な挨拶だな。
「あ、あの、以上……ですか?」
山田先生はラウラ・ボーデヴィッヒに尋ねたが、
「以上だ」
と簡潔に答えた。
彼女の醸し出す雰囲気がそうさせるのか、教室内は静まり返り空気は重苦しい。
そんな空気をぶち破るような怒気を含み押し殺したような声が聞こえる。
「貴様が――」
どうやらその声はラウラ・ボーデヴィッヒが発したようだ。
最前列、中央という憐れとしか言えないような席に座る織斑一夏につかつかと近寄っていく。
当然、クラスメイトたちはラウラ・ボーデヴィッヒの動きにロックオン。
視線はラウラ・ボーデヴィッヒを自動追尾していた。
パシンッ!
手の甲で頬を叩く乾いた音が教室内に響く。
叩かれた本人である織斑一夏は「えっ?」と声を出したが、何が起こったのか解らない様子で呆けていた。
クラスメイトたちもいま起こった出来事に唖然としながらも織斑一夏とラウラ・ボーデヴィヒ両名に視線は集中していた。
「私は認めん。貴様があの人の弟であるなど――」
織斑先生が出場したISの第二回世界大会、モンド・グロッソ。
前年度に続き二連覇のかかったの決勝戦で不戦敗になっている。
その原因となった出来事、決勝戦当日に織斑一夏が謎の組織に誘拐されたことにある。
織斑一夏を救出するために決勝戦を棄権、不戦敗になった。
織斑一夏の居場所を教えたのはドイツ軍で、その情報の見返りとして織斑先生は一年間ドイツのISの教官を務めたんだっけ。
その時出会ったのがラウラ・ボーデヴィッヒ。
織斑先生に心酔しているラウラ・ボーデヴィッヒが不戦敗になった原因が織斑一夏にあると知ってるからこんなことになったはずだが。
「いきなり何しやがる!」
織斑一夏が何かを叫んでいるな、思考の混乱から復帰したらしい。
「ふん……」
おい、ラウラ・ボーデヴィッヒ、少しは織斑一夏に何か言ってやれよ。
じゃなきゃ、痴情のもつれでそうなったのかと誤解を受けるぞ? たぶんこんな風にな。
織斑一夏に散々もて遊ばれ棄てられた女子の友人であるラウラ・ボーデヴィッヒが、ようやく会うことができた織斑一夏の前に立ち怒りに任せ「貴様――」といって叩いた。
それも自分の知り合いである織斑先生の弟で
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