ルームメイトは緑髪の眼鏡っ娘 その一
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できても理解出来なかった可能性がある。。
だからもう一度……。
「好きなんです……貴女のことが」
ようやく理解したのだろう山田先生は、最初は驚いた表情を見せ、やがて困惑した表情になる。
気がつけば先生との距離はお互いの吐息を感じるまでに近づいていた。
俺の顔を見上げていた山田先生の瞳は潤み、何かを言いたげに小さな唇を開くがすぐに閉じてしまう。
俺の胸に軽く添えられていた山田先生の両手に力が入り、その反動で山田先生は俺から一歩後に下がった。
そして俯くと、
「そういうのは……ちょっと困ります。わたしたちは教師と生徒となんです……」
山田先生は両手を胸のあたりで合わせると、身体をくねくねとし始めた。
「でも……、それはそれで良いような、気が……」
今まで静寂を保っていたはずの教室がざわめきだし、やがてあちこちから黄色い声が沸き上がる。
きゃあああああーっ!
「ねえ、ねえ、今の何?」
「告白だよね?」
「でも、転校生だから初めて会ったんじやないの?」
「それってもしかして、一目惚れってやつじゃないですか?」
「なるほど」
「山田先生、おめでとう。お幸せに!」
「結婚式には呼んでくださいね」
クラスメイトたちのそんな会話が俺の耳に届く。
異様な盛り上がりを見せる教室の中で、一人だけ睨みつけるように俺を見ている人間がいた。
このクラスの中で、俺の唯一の知り合い、窓際後方近くに陣取っている、セシリアである。
イギリス代表候補生セシリア・オルコット。
イギリスの名家、オルコット家のお嬢様。
碧眼の瞳、長い金髪はくるくるとロールがかかっている。
短い時間だったが、IS操縦についての俺の師匠でもある。
教えてくれるのはいいが、理路整然とし過ぎていてかえって解りずらかった。
俺はどっちかというと感覚派だからな、相性が悪かったようだ。
それでもセシリアは根気よく教えてくれたのだから感謝している。
スパンッ!
突然、俺の頭に衝撃と激痛が走る。
「いっ!」
うめき声が俺の口から漏れた。
これを毎度のごとくくらって平気な織斑一夏は化け物か? 俺には到底無理だろう。
そう思いながら、自分の頭を手でさすり頭頂部の無事なことを確かめる。
まったく、暴力教師のおかげで頭蓋骨が陥没したかと思ったぜ。
あの軽そうにしか見えない出席簿であの衝撃、一体どんな素材で製造されてるんだよ。
「ベインズ、誰が山田先生に告白しろといったか。私がしろと言ったのは自己紹介だ馬鹿者! それからお前らも、いい加減静かにしないか」
騒ぎの収まらない教室内でに織
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