ルームメイトは緑髪の眼鏡っ娘 その一
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が出来たんだから感謝している。
世界の男たちの織斑一夏に対する評価は、『素晴らしい』『奇跡の人』『英雄』『男の中の男』『羨ましい』『リア充爆発しろ!』『ハーレム野郎』『夜の帝王』『俺と代われ』『ユニバース』ほか多数あったが、そのほとんどがやっかみに近いだろう。
そんな世界の男たちの思いを背負い、俺はIS学園に転入することになった。
この世界がインフィニット・ストラトスの世界だと知ったのは、産まれて何年か経った頃だ。
最初はこの世界を、舞台袖というかかぶりつきで観れればいいやと考えていた。
簡単に言えば、観光気分だったと言うべきだろう。
いわばこの世界、インフィニット・ストラトスという演目を間近で観賞し、体験出来るというのは『IS』ファン、いや俺にとって涎を流し喜ぶべき状況だろう。
しかし俺は、誰かの手で背中でも押されたのか、いつの間にか舞台に上がるハメになっていた。
はあ、と俺の口からため息がもれる。
俺は観るのは好きなんだが、舞台の上で役者を出来るとは思えんがな。
はっきり言えば役者が不足しているだろう。
まあでも、織斑一夏とその周りにいる女子たちの青春群像劇をすぐそばで見られるのは幸運かもしれない。
俺は今、一年一組の教室の前にいる。
今日からIS学園での生活が始まることになる。
せいぜい楽しむとしよう。
「今日は転校生を紹介します」
山田先生に促された俺は、一年一組の教室のドアをくぐった。
一年一組の教室。
教室内は、まるで音など存在しないかのように静まり返っていた。
黒板という表現はちょっと古いかもしれないな、なんと表現すればいいか……そうだ! 黒板サイズのパソコンモニタと言ったほうがいだろう、それの前に俺は立ち、傍にいる背丈が生徒とさほどかわらない感じで、身体のサイズと合っていない大きめの服を着た小柄な眼鏡っ娘、このクラスの副担任山田真耶先生の瞳をじっと見つめていた。
山田先生との距離は一メートル。
男子の保護欲を刺激しそうな上目遣いで俺に問いかけてくる。
「あのぅ……どうしました? ベインズくん」
眼鏡の奥に見える瞳には不安の色が浮かんでいた。
「山田先生……」
「はい、何でしょう」
俺は一度深呼吸すると、少し間をおいてから話し出す。
「山田先生の事が……好きです」
俺の言葉は先生の心に届いたのだろうか。
先生は小首をかしげる。
「もう一度言ってくれますか? 先生、よく聞こえなかったみたい」
言葉が聞き取れなかったのか? もしかしたら、反射的に聞き返したのかもしれない。
この状況下で俺の言葉。
言葉だとは認識
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